「各自の判断に任せる」は危険!台風時などの企業対応について考えよう

近年、台風が巨大化し、強風による被害もそれに伴い増加傾向にあります。
最近では非常に強い台風15号「ファクサイ」が関東に大きな被害をもたらしました。
特に千葉では観測史上最強の最大瞬間風速を記録し、冠水や断水、停電など深刻な被害がでています。

また、深夜から明け方にかけて上陸したため、交通インフラへのダメージにより、会社への出勤が困難な方も多く出ました。
台風時の出勤・出社について、企業は従業員に対しどのような措置をとればよいのでしょうか。

安全配慮への義務

安全配慮義務については、労働契約法で以下の定めが置かれています。

労働契約法第5条(労働者の安全への配慮)
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

たとえば、台風接近時に出社についてどうするかを明確に命じなかったことで、従業員が自主的に出社する道中に死傷した場合は会社の「安全配慮義務違反」となり、会社は損害賠償を支払わなければならない場合があります。
また、安全配慮義務は管理監督者にも適応されるため、管理監督者であっても無理に出社させることは許されません。
TwitterなどのSNSでも、今回の台風について「会社が明確に指示を出さない」「各自の判断に任せる」など、暗に出社を強制されたことを不満に感じた人々の声が多数見受けられました。
このような判断をした場合、安全配慮義務違反だけでなく、従業員からの信頼をも失い、優秀な人材が流れ、結果として会社の価値も下げることになるということも肝に銘じておくべきでしょう。
こうした事態を防ぐためにも、企業は出社に影響が出そうな場合を想定し、事前に取り決めをしておく必要があります。

台風等の災害による休業

取り決め内容としては、業種や業態によって大きく変わってくるため、会社は独自にルールを設ける必要があります。
たとえば、インフラ事業者などは台風に備えた宿泊、デスクワーク中心なら休業、在宅勤務、時差出勤などが考えられます。
これら取り決めた内容は、就業規則などで従業員に周知しておきましょう。
特に台風はあらかじめ大体の進路が予想できることから、翌朝の出勤に影響が出そうなときは前日までに会社としてどうするかを従業員に知らせたほうが翌日の混乱を避けることができます。

台風時の勤怠・出社判断に関する事前の取り決め

休業した場合の賃金がどうなるかは、皆さん気になるところでしょう。
これが明確でないと従業員としては会社の命令に安心して従うことができません。
対応については会社によってまちまちですが、法律的には賃金を払う必要はありません。
よって有給を特別に付与する必要もありません。
しかしながら、安心して自宅待機を行うためにも、その日の賃金は通常時と同じ分支給するのが望ましいといえます。
自然災害はそう頻繁に起こるものでもありませんし、こういった時の対応こそ企業の真価が問われるのではないでしょうか。


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