健康投資管理会計ガイドライン案、公表〜経産省「第2回健康投資の見える化検討委員会」〜

2019年11月14日、経済産業省で第2回「「健康投資の見える化」検討委員会」(以下、検討委員会)が開催されました。
検討委員会は、経済産業省次世代ヘルスケア産業協議会・健康投資ワーキンググループの下部委員会として位置づけられており、「健康経営の考え方の自走化」のために、具体的には「健康投資管理会計ガイドライン」策定の検討を行っていきます。

第1回の詳細は以下の記事を参照ください。
産業保健新聞「健康投資管理会計ガイドラインの策定に向けて〜経産省「健康投資の見える化検討委員会」開始〜」http://news.doctor-trust.co.jp/?p=41932

健康投資管理会計ガイドライン案示される

今回は事務局から検討委員会に対して「健康投資管理会計ガイドライン」の骨子案(以下、ガイド案)が示されました。

① 健康投資管理会計の定義・役割

ガイド案ではまず、健康投資管理会計の定義、役割が示されています。
健康投資管理会計は、企業が社員の健康増進へ投資する活動を効率的かつ効果的に推進していくことを目的に、活動を行う費用とその活動によって得られる効果を認識し、客観的に測定、伝達するしくみとしています。
また、健康投資は、従業員などに向けて健康状態の向上に資する取組でありかつ、企業の人的資本の管理・育成等の企業戦略に資する取り組みであるとされています。

この健康投資管理会計の役割としては内部機能、外部機能の2種類があります。

内部機能:企業等が従業員等の心身の健康増進・管理の一環として、従業員等の健康増進等の費用の管理や、健康投資の効果(アウトプット、アウトカム)の分析を可能とし、適切な経営判断や PDCA サイクルを可能とする機能。
外部機能:非財務情報である従業員等の心身の健康増進施策について、PDCAを回していること、および定量効果、定性効果を外部に対して適切に開示する機能。

② 健康投資管理会計の要件、構成要素

健康投資管理会計としては、次の要素を重視しています。
・目的適合性
・信頼性
・明瞭性
・比較可能異性
・検証可能性

また構成要素は大きくわけて次の5つに区分されています。

(1)健康投資
・ 外注費:産業医の委託や定期健康診断など法定の取り組みに加えて、企業の課題にあわせて、ヘルスケアサービス等を活用し、実施される自主的な健康投資等。
・ 環境投資:社内でジムや診療所等の設置といった設備投資および職場環境改善のマネージメントを実施する定性的な投資等。
・人的投資:健康活動や健康投資を管理・実行する上で内製的に生じる人件費等。
(2)健康投資効果
・ アウトプット:健康投資を行うことで最初に成果として発現する指標で、1 年を目安に発現し、健康投資の質を判断するための中間チェックポイントとして活用することができるものなど。
・ アウトカム:健康投資を行った結果、アウトプットの改善を経て中期的(2〜10 年)に発現する効果。
・ インパクト:健康投資によるアウトカムの実現が要因の一部となり現れる成果で、中長期的(2〜20 年以上)に成果が期待されるが、健康経営以外の要因も関わるため、健康経営の PDCA サイクルの判断材料・指標としてではなく、目的として定めるもの。
(3)健康資本
(4)企業価値
(5)社会的利益

次回以降はこれらに基づいた健康投資管理会計の情報開示などについて検討を行ていく見通しです。

健康投資の実態

検討会ではガイド案と合わせて「令和元年度健康経営度調査の結果」(以下、健康経営度調査)が示されました。
健康経営度調査は、企業における健康投資の実態を把握するために行われたものです。
健康経営度調査によれば、「健康相談窓口設置」「産業医委託」などはすでに多くの企業で実施されていることがわかります。
また、社内セミナー、社内報といった社内リソースを用いて、健康リテラシーの啓蒙を行っている企業が多く見られました。
一方では、外部のコンサルタントを活用するなどといった、外部リソースの活用が少ないのが現状です。
ただし、産業医委託、あるいはストレスチェックなどでは積極的に外部が活用されているようです。
また、ポピュレーションアプローチとハイリスクアプローチを比較すると、後者に取り組んでいる、あるいは取り組みたいという企業の割合が高いということが判明しました。
現状としては、健康投資については「内部」で簡潔させることが多く、外注費も従業員1任人当たりに換算すると平均12000円という結果が導出されており、この外注費も、食生活改善に関する投資が多く、そのほかは法定健診以外の各種健診にかかるものでした。

積極的な健康投資への機運

「健康」を投資対象と考えている企業はまだまだ少ないと思います。
そのため、仮に「相談窓口」を設置するにしても、手軽に設置できる「社内」が多いという結果が出ています。
産業保健業界も、今は成熟の時期にあり、すでに多様なサービスがあり、従業員のことを考えるのなら、また、長期的な視点から鑑みるとこれらの活用可能性も高いといえるでしょう。


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