新型コロナウイルス(COVID-19)感染が日本中に広がり、連日感染者数がテレビ等で報道されています。
新型コロナウイルスに対応できる病院が限られている中、大勢の感染者すべてを入院させることは難しく、4月に入ってからは軽症者もしくは無症状感染者は自宅やホテルで療養という方針になりました。
しかし、「軽症者」と言われても、どのような状態なら軽症なのかピンと来ない方も多いのではないでしょうか。
傷病者の重症度は、次の4つに定義されています。

(1)軽症…入院を要しないもの 

(2)中等症…生命の危険はないが入院を要するもの 

(3)重症…生命の危険の可能性があるもの 

・ 3週間以上の入院加療を必要とするもの 

・ 重症以上と判断されたものの内、「重篤」を除いたもの 

(4)重篤…生命の危険が切迫しているもの 

・ 心肺停止、または心肺停止のおそれがあるもの 

・ 心肺蘇生をおこなったもの

軽症の範囲はかなり広い

重症と重篤は比較的イメージがつきやすいと思いますが、軽症〜中等症はかなり幅があります。
よく耳にする「無症状感染者」が軽症なのはもちろん、たとえば38℃〜39℃の発熱が3日間続き、すごく辛い思いをしたとしても、なんとか自分で水分や多少の栄養が取れている状態であれば軽症。
逆に、高齢者にしばしば見られることですが、自覚症状に乏しくても実は炎症の数値が高かったり、肺炎を起こして酸素投与が必要な状態だということがあります。
このような場合、自身では「軽症」と思っていても入院が必要な中等症以上であることがあります。
今回のコロナウイルス感染症の場合で考えると、基本的には持続点滴や持続酸素投与が必要な状態かどうかが、ひとつの分かれ目になります。

体温だけを過信しない

37.5℃程度なら大丈夫。でも39℃あったら大変! そう感じる方も多いのではないでしょうか?
体温は、唯一自宅で客観的に数値として判断できる指標のひとつなので、そのようにとらえてしまいがちです。
しかし、体温はひとつの指標に過ぎず、必ずしも高熱だから症状が重いというわけではありません。
高熱が出ても1日2日で下がってくるようなら心配ないことが多く、逆に微熱であっても何日も続いたり、どんどん倦怠感が強くなるなど他の症状の悪化があれば何か病気の可能性を考えなくてはいけません。 体温の推移だけでなく、呼吸の状態や皮膚の状態(普段と違う発疹や赤みなどがないか)、自覚的な体のだるさ=倦怠感など全身の症状をみるようにしてください。
お子さんのいるご家庭では、今は特に体調の変化が気になる時だと思いますが、症状がうまく伝えられない子ども達のため、普段の様子をよく観察するようにしましょう。 子どもの場合は「元気がない」「機嫌が悪い」の2つが大切な指標になります。

2割は重症化することを忘れずに

軽症かどうか、入院が必要かどうかを自身で判断するのは、本来とても難しいことです。
「8割が軽症、2割が重症化」と言われると、8割が軽症なら大体はかかっても軽く済むのだろうと思う方もいるかもしれません。
しかし、軽症の範囲は広く、高熱で数日うなされても、咳がひどくて眠れなくても、点滴や酸素投与が必要なければ軽症なのです。
インフルエンザや胃腸炎にかかってとても辛い思いをしても、入院になることが滅多にないのと同じように、感染症で入院が必要な状態というのは、想像しているよりも辛く悪い状態であることが多いと覚えておいてください。
自粛生活も長くなってくると、疲れが出たり、大丈夫だろうと思う気持ちが出て来てしまいますが、一人ひとりが気をつけることが国民全体を守ることを忘れずに過ごしていきましょう。