うがい薬(ポピドンヨードうがい薬など)が「体内のウイルスを抑えられる」「予防できる」「治療できる」ということで話題になりましたが、本当に効果はあるのでしょうか?

今回は、うがい薬の使用について注意点などをご説明していきます。

ポピドンヨードってどんなもの?

ポビドンヨード(Povidone-iodine)は、昆布やワカメなどに含まれるミネラルの一種「ヨウ素(ヨード)」と刺激を抑え水に溶けやすくする成分「ポリビニルピロリドン(ポピドン)」という成分から作られます。

殺菌消毒剤として使用され、手術の際や、うがい薬などで広く使用されています。
グラム陽性菌・陰性菌、真菌、結核菌、一部のウィルスに有効であるとされています。

現在のところ予防や治療には推奨されていない

現時点で、うがい薬の使用で新型コロナウイルスを治療できる、予防できるという十分な科学的根拠は残念ながらありません。
「コロナウイルス陽性者が、うがい薬の使用により唾液中のコロナウイルスが抑制された」という研究も一部報道されていますが、現段階では、さらに研究が必要です。

もちろん、うがい薬や製品の中には、口の中の唾液に含まれる特定の微生物を数分間除去できるものもあります。
しかし、これは、新型コロナウイルスの感染予防になるということを意味するわけではないとWHOの関連機関「WHO神戸センター」から発表されています。

甲状腺の病気の方や妊娠中、授乳中の使用は注意!

妊娠中や授乳中で、感染予防対策としてうがい薬を使用してうがいを行っている方も多いかと思います。
ヨウ素系うがい薬(ポピドンヨードうがい薬など)によるうがいを行った場合、妊婦・授乳婦の1日のヨウ素摂取上限量を超える恐れがあります。

ヨウ素は、甲状腺ホルモンの主原料で、日本人の成人の摂取上限量は3㎎/日、妊婦・授乳婦では2㎎/日となっています。
妊娠中や授乳中の長期の過剰摂取は、赤ちゃんの甲状腺腫大や甲状腺機能異常の原因になる可能性もあるため、感染予防としての日常的なヨウ素系うがい薬の使用は避けましょう。

また、甲状腺の病気のある方、甲状腺の病気のある方もヨウ素系うがい薬による過剰摂取の注意が必要です。
加えて、薬などによりアレルギー反応を起こしたことのある方や口腔内のただれなどがある場合には、使用前に医師や薬剤師に相談しましょう。

上記のように、現在のところ、うがいによる感染予防は推奨されておりません。
現在のところ、うがい薬(ポピドンヨードうがい薬など)による感染予防の推奨はされていません。
まずは、感染予防として密を避ける、手洗い、マスクの着用に留意したり、栄養摂取、休息など、免疫力を高めていきましょう!

<参考>
・ WHO神戸センター「新型コロナウイルスを予防・治療する特定の薬はありますか。」(https://extranet.who.int/kobe_centre/sites/default/files/pdf/Myth%20busters%20editable%20JA.pdf)
・ KEGG MEDICUS「医療用医薬品 : ポビドンヨード」(https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00059448)
・ 日本甲状腺学会「新型コロナウイルス感染症へのヨウ素系うがい薬の使用についての見解」(http://www.japanthyroid.jp/public/img/news/20200807_ugai.pdf)
・ 国立研究開発法人 国立成育医療研究センター「新型コロナウイルス感染症予防対策としての妊娠中、授乳中のヨウ素系うがい薬(ポビドンヨードうがい薬)の使用について」(https://www.ncchd.go.jp/news/2020/20200807.html)