いよいよコロナ禍の中、インフルエンザが流行する季節が近づいてきました。
前シーズンは新型コロナ対策によりうがいや手洗い、マスクをする人が増え、インフルエンザにかかる方が減少傾向にありました。
今年も同じく対策をしている方が多いことから減少傾向にあることが予想されます。

しかし、従業員がかからないという保証はありません。
もしかかってしまった場合、厳しい出社制限や長めの待機が必要になるでしょう。

この確率を下げるためにも、コロナ禍でもインフルエンザ予防接種は受けたほうがよいと言えます。
今回は、コロナ禍のインフルエンザ予防接種について解説します。

インフルエンザの費用は誰が負担するのか?


従業員のインフルエンザ予防接種は、基本的に全額会社負担が望ましいでしょう。
会社負担にした方がよい理由としては、ご想像通りかと思いますが、インフルエンザ予防接種をせずにインフルエンザに感染してしまった場合、症状が重くなってしまう可能性が高く、休業が長引くことで他の従業員への負担が大きくなってしまうことや、従業員同士の感染リスクが高まることが懸念されるからです。

また、インフルエンザの予防接種時間についても就業時間中に行うことも配慮すべきでしょう。
就業前や就業後だと難しい方もおり、就業中に接種に行ってしまう方が従業員も受けやすいからです。

インフルエンザ予防接種を義務にすることは規定できる?


結果から言って義務化はできません。

体調、持病などのさまざまな理由で受けたくても受けられない方もいますし、厚生労働省の予防接種実施要領には「自らの意思で希望するもののみに接種を行うものである」とされており、「受けたくない!」と断固拒否している人に強制的に受けさせることはできないのです。

もちろん、予防接種を受けなかったことで企業が従業員に対して不利益な取り扱いを行った場合、訴えられるリスクもあります。

従業員がインフルエンザにかかったら


まずは風邪症状がどこから来るものなのか調べ、インフルエンザの判定が出た場合、治るまでの間、該当社員に出社を停止することができます。
しかし、その場合の取り扱いを事前に就業規則に明記しておくことが望ましいです。

また、出勤停止期間の賃金は会社が負担する必要はありませんが、有給休暇などに振り替えてあげることが望ましいでしょう。

従業員に風邪症状があるにも関わらず受診を拒否した場合、まず医師の診断を受けるよう勧めてください。
勧めても受診しない場合は、業務として受診命令を行うこともできますが、その際の規定は就業規則に盛り込んでおく必要があります。
受診命令を行った際の受診料・医療費については企業が負担する義務はありませんが、命令を行った以上負担するべきだと考えられます。

また、熱などの風邪症状があり、味覚に異常がある場合は新型コロナウイルスの感染も懸念されます。
濃厚接触者ではないにもかかわらずPCR検査を従業員に指示した場合、検査費用は自己負担となり高額な費用(3〜4万程度の金額)がかかります。
会社として指示した場合には負担してあげるべきでしょう。

受診したくないorできなかった場合該当従業員を出勤停止にできるのか
インフルエンザに限らず、新型コロナなどの疑いがある段階でも、会社は就業規則に基づいて出勤禁止命令を出すことができます。
しかし、会社は社員に対して賃金または休業手当を支払う必要があります。

なぜなら疑いに過ぎない状態で出勤を禁止することは、会社都合の出勤禁止となってしまうからです。

これらのことに気を付け、コロナ禍でもインフルエンザ予防接種はなるべく受けさせるようにしましょう。