2020年4月にいわゆる「パートタイム・有期雇用労働法」が施行されたことから、雇用形態にかかわらず同一労働同一賃金が原則となりました。
「同一労働同一賃金」を耳にしたことがない方は今となってはあまりいないと思います。
しかし、「同一労働同一賃金」の具体的な内容まで知っている方は、必ずしも多いとは言えないのが現状のようです。
今回は「同一労働同一賃金」の内容をわかりやすく解説します。

同一労働同一賃金、言葉としてはみんな知っている


2019年度に大阪府が、常用労働者が30人以上の大阪府内の民間企業事業所を対象に実施した「令和元年度労働関係調査」によると、「同一労働同一賃金」に関して、「知っている」と回答した事業所は95.3%だったものの、具体的な定めがおかれた「同一労働同一賃金ガイドライン」(短期間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針)についてまで「知っている」と回答した事業所は77.4%にとどまりました。

同一労働同一賃金、何が不合理かわかない


また、2019年度に岡山労働局が実施したアンケートでは、同一労働同一賃金の対応について、正社員と非正規社員の不合理な待遇差が禁止されることは96.8%が「知っている」と回答していますが、そのうえで「何が不合理な待遇差なのかわからない」という回答をしている企業が58.9%もいるとわかりました。

不合理な待遇差とは


不合理な待遇差は、個々の待遇ごとに、その性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されるべきとされています。
しかし前述の岡山労働局アンケートのように「なにが不合理な待遇差なのかわからない」という疑問を抱えている方も多いと思うので、そういった場合にはまずご自身の働く職場において、正社員と非正規社員で以下の点についてどのような差があるかを見てみてください。

・ 基本給
・ 賞与
・ 役職手当
・ 住宅手当
・ 家族手当
・ 特殊作業手当
・ 特殊勤務手当
・ 精皆勤賞
・ 時間外労働の割増率
・ 資格手当
・ 福利厚生
・ 教育訓練

多くの項目がありますね。
上記の待遇に正社員と非正規社員とで差がある場合には、差を設けている理由が合理的であるか否かを個別に見ていかなければなりません。
より具体的に見ていく場合には以下の厚生労働省の示す指針などに沿って照らし合わせていく必要があります。
不合理な待遇差が改善されていない場合、すぐさま罰則を与えられることはありませんが、従業員による訴訟によって合理性が裁判で争われるケースもありますので、ぜひ確認してみてください。

<参考>
・ 厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ」
・ 厚生労働省告示430号「短期間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針(PDF)」
・ 大阪府「令和元年度大阪府労働関係調査報告書」