不動産バブル“2度崩壊”の危機 どう乗り越える?

不動産バブル“2度崩壊”の危機 どう乗り越える?

 バブル崩壊と言うと、90年代初めの株や土地の暴落を想像する人も多いだろう。08年のリーマン・ショックなど経済危機もあった。


 
 だが、これまでと異なるのは、立て続けに2度崩壊の危機を迎えそうなことだ。足元の危機が過ぎても、「2022年問題」がやってくる。

 都市部を歩いていると、マンションや住宅に囲まれるように残された農地に出くわす。所有者が農業を続けることを条件に、税金の優遇措置を受けられる「生産緑地」だ。都市部の農地を残そうと92年に導入され、30年間の税優遇を認めてきた。

 全国に東京ドーム約2900個分に相当する1万3442ヘクタール(15年度)ある。その中でも東京都は約4分の1を占める。生産緑地の大半は22年に優遇期間がいったん終了するため、一斉に売りに出される可能性があるのだ。主な都市の生産緑地の表を見てほしい。東京都練馬区や世田谷区など23区内や、横浜市や名古屋市、京都市などにも広く残っている。

 国は農業を続けやすくするなど対策をとろうとしているが、後継者不足もあって農地が宅地化する流れは止められそうにない。

 不動産運用コンサルティングのオラガ総研の牧野知弘社長は、

「市場に甚大な影響を与える可能性が高い。所有者の多くは高齢化しており、売って宅地化するでしょう。激増する空き家も含め不動産は供給過多で、価格が大きく下落すると思われます」

 と値崩れは避けられないとみている。

 空き家は世帯数の減少と住宅数の増加によって、急増すると予測されている。野村総合研究所によると、総住宅数に占める空き家率は13年は13.5%。新築の制限や住宅用途以外への有効活用などが進まなければ、23年には21.1%、33年には30.4%まで上昇するとしている。「3軒に1軒が空き家の時代」が迫っているのだ。

 バブル崩壊の荒波をどう乗り越えるべきか。

 『2025年東京不動産大暴落』(イースト新書)の著者で、住宅ジャーナリストの榊淳司さんはこうアドバイスする。

「都内のいいマンションは、約30年の家賃分を出さないと買えない状態になっている。これから買うのはなるべくやめた方がいい。投資用としてマンションを複数持っている人は、高値のうちに早く整理すべき。年をとると家を借りられなくなると心配する人もいるが、これからの日本では人口が減り、家は余る。いまマンションを買って長期ローンを払い続ける方がリスクが大きい」

 持ち家信仰は根強いが、一生賃貸で暮らすのも選択肢だ。高齢者でも借りられるマンションは増えているし、公営住宅もある。家族構成が変わった時に、引っ越しをしやすいメリットもある。

 牧野社長も、いまは買い時ではないと言う。

「建築費が高騰していて、業者も新たな建設を控えている状況です。東京五輪のころには需要が減って、建築費も下がる。2022年問題もあって、5年も待てば不動産は安くなる。どうしても買いたいという人は、新築より中古を買った方がいいでしょう」

 その上であえておすすめのエリアを聞いてみた。

「全体的に不動産市場が縮小している中でも、値上がりしているエリアもある。例えば川崎市の人口は約150万人で、毎年約9万人が転出して、約10万人が転入してくる。人の出入りが多いエリアの不動産は価格も上昇しますから買いです。川崎市や福岡市がそうですし、都内でも足立区の北千住や立川の駅周辺などエリア別に見ると何カ所かあります」

 バブルは歴史上、膨らんではしぼむことを繰り返してきた。不動産価格の上げ下げに一喜一憂せず、いまから崩壊に向けて準備をしておこう。

※週刊朝日  2017年9月29日号より抜粋

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