「株主優待」は金融のプロには大不評? その理由と大量優待品の行方

「株主優待」は金融のプロには大不評? その理由と大量優待品の行方

 株式投資をすると、企業から定期的に食べものや食事券、買い物券などが送られてくる株主優待。個人投資家にはうれしい制度だが、プロはどうか。

 資金運用会社や投信会社など、仕事として株式を大量に買う「金融のプロたち」の元にも、株主優待は届く。「君たちはプロだから、優待は送らないよ」といった判別は、されていないのだ。

 証券会社などのプロたちにとって、株主優待は、必ずしも歓迎されていない。お察しの通り、優待品の処分に手間がかかるためだ。

 大量の株式に分散投資する投資信託運用会社のオフィスに届いた大量のお菓子や化粧品を社員が山分け……。優待制度が盛り上がり始めた当初、何十キロという米が突然届いて社員では捌ききれず、大量廃棄……。20世紀の一時期にそんな光景も確かにあったが、今では制度上ありえない。

 たとえば投信会社が顧客から預かった資金で買った株式は、「分別管理」といって信託銀行の名義で管理されている。

 このため、優待品は投信会社ではなく信託銀行に届く。

 投信会社は信託銀行に対して、クオカードや図書券など換金性のあるものはできるだけ高く売って現金化するよう指示している。売却代金を顧客の運用益とするためだ。


 ただ、「保有株数によらず500円のクオカード一律1枚」など優待品の数には上限があり、金額はさほど大きくならないという。

 証券会社も「企業統治」の観点から、優待品は厳格に扱う。顧客が証券会社から資金を借りて株を買う信用取引では、株式の名義は証券会社になるため、優待品は証券会社に届くことになる。

 その場合は投信会社と同様にクオカードなどは金券店で換金し、収入として決算書に計上する。

 食品類は山分けせずに、社会貢献活動の一環として福祉団体に寄付することが多いという。

 株主優待を「いります」「いりません」という意思表示が株主にできればよいのだが、これが簡単な問題ではない。

 優待品の受け取りの意思を、株主一人一人に確認するだけの時間、封書などの郵送費、人件費を考えると全員一律に送ったほうが早いのだろう。(経済ジャーナリスト・笹谷清太郎、伊藤雅浩)

※AERA増刊『AERA with MONEY 大人の株主優待ランキング』より


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