ミッツ・マングローブ「パブロンの季節。母・松嶋菜々子から滲み出る闇」

ミッツ・マングローブ「パブロンの季節。母・松嶋菜々子から滲み出る闇」

 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は「松嶋菜々子」を取り上げる。

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 私は季節関係なく常に風邪を引いている人間です。高熱が出るのは年に1、2回ですが、それでも薄着で新幹線に乗ったり、冷房に10分以上当たったり、誰かと一緒に同じ布団で寝たりしようものなら、ほとんどの確率で微熱が出ます。特に30代後半ぐらいから極度の寒がり体質になったこともあり、今ではヒートテックを着込まずに外出するのは、30度超えの日ぐらい。ギンギンに冷え切った新幹線、飛行機、タクシー、コンビニ、楽屋! とにかく世の中寒過ぎです。

 もちろん手洗い・うがいは欠かしませんが、20年近く定着している私の予防法は、「あやしい」と感じたらすぐに薬を飲んでしまうこと。病院で処方してもらう『総合感冒薬』と『抗ヒスタミン剤』、そして市販の『解熱・鎮痛剤』をお守りのように常備し服用しているおかげで、今週も原稿が書けるというわけです。ぼちぼち厚手のコートを着ても恥ずかしくないシーズンが到来し、非常に心安らかな気分でいます。毎年5月を過ぎてもダウンを着ている私としては、最高気温が25度を下回ったぐらいからずっと痩せ我慢してきたのですから。

 冷え込みと同時に流れ出すのが風邪薬のCMです。私もいつか仲間由紀恵さんのように「あなたの風邪は、どこから?」と尋ねるのを夢見て練習していたものの、数年前から綾瀬はるかさんに代わり、その可能性は極めて低くなったため、今は「私は喉から」と答える練習に切り替えています。他にも、かつては松田聖子・中山美穂といった当代きってのアイドルを起用していたエスタックは有吉さんに、石川遼くんのセーター姿が楽しみだったルルAゴールドも2年前から有村架純にバトンタッチするなど、冬風邪を巡り群雄割拠する様は相変わらず目まぐるしい中、40年以上もその座に君臨し続けている岡江久美子さんの凄さを、日本人は今一度よく噛み締めるべきです。ちなみに「ジキニンでじきに治って」はもう言っていませんし、新たなCMもここ何年かは作られていないような……。岡江さん、お風邪など引いてなければいいですが。

 そして忘れちゃならないのが『パブロン』です。三田佳子&後藤久美子による母娘シリーズは、まさに風邪薬界の黄金期であり、主婦設定には到底結びつかない肩パッド入りのセーターやワンピースを纏った三田佳子さんが放つ名フレーズ『効いたよね〜ッ! 早めのパブロン!』は、消えゆくバブルの叫びでもありました。その後竹下景子さんを経て、2011年からは3代目パブロン母に松嶋菜々子さんが起用されています。が、この松嶋さん、とにかく怖い。母娘のほのぼの設定にもかかわらず、今にも「あのね、ママはホントのママじゃないの」とか、「このお薬飲んだこと、誰にも喋っちゃダメよ」的なことを言い出しかねないサスペンス臭がぷんぷんするのです。松嶋菜々子さんには昔から明白な闇を感じていましたが、教え子とデキてしまう高校教師や、過去のある家政婦なんかより「いちばんヤバいのは、この“パブロン菜々子”なのでは?」と思うぐらいの怖さ。

 家(かなりの豪邸)の中がいつも間接照明のように薄暗く、朝になっても父親の気配が一切なくても気にせず「効いたよね!」と笑い合う母娘の母の目が笑っていないなんて、そんなこと気付いたら最後……。今年の冬も目が離せません。

※週刊朝日  2017年11月17日号

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