落語を習って変わった? 俳優・浅利陽介「今は適度にイイ感じ」

落語を習って変わった? 俳優・浅利陽介「今は適度にイイ感じ」

 俳優・浅利陽介さんは小学生の頃、ミュージカル「レ・ミゼラブル」に出演し、全国を回っていた。軍の銃に撃たれ、命を落とす浮浪児ガブローシュ役。そのとき体験した一連の出来事が、ずっと楽しい思い出として残っている。

「アンサンブルの人たちが歌っている最中に、エキストラ芝居をする場面があって、そこで何をするかは、キャストの裁量に任されていたんです。地方で子供のキャストが代わったとき、先輩面して『あそこはこうしたら?』なんてアドバイスしたら、大人のキャストに、『何をするかは自由、お前がとやかく言う必要はない』ってたしなめられた。ガブローシュも、撃たれて倒れるまでの芝居が長ければ長いほど、拍手の度合いが大きくなるから、日によってその長さを変えてみたりして(笑)」

 以来、芝居の現場が好きになり、中学生になると、「ずっと芝居の世界で生きていこう」と思うように。

「誰かがアクションを起こしたときの周囲のリアクションを見るのが、無性に好きみたいで(笑)。中学のときは、友達と“タンクトップス”ってコンビを組んで、よく教室でショートコントをやってました。今も、放っておくと少しでも笑いが取れそうなほうに、自然と身体が動きます(笑)。稽古でも、共演者が演出をつけられて、芝居が変わっていくのを見るのが楽しい。芝居って、可能性がたくさんあるからいいんです」

 とはいえ10代から20代半ばまでは、壁にぶち当たることも多く、思いどおりに演じられずに悔し涙を流したこともあったという。

「そういう時期も必要だとは思ってましたけどね(苦笑)。いろいろ自分のアイデアを試せるようになったのは、25ぐらいからかな。30の少し手前で本格的に落語を習い始めて、芝居がもっとうまくなるための手段を探していたら、30になったら肩の力が抜けた。今は適度にイイ感じです。だからこうやって憧れていた『劇団☆新感線』からお声がかかったのかな、なんて(笑)」

 客席が360度回転するIHIステージアラウンド東京。昨年から1年3カ月にわたってロングラン上演された劇団☆新感線『髑髏城の七人』に続き、この夏からは、新感線☆RS『メタルマクベス』が上演されているが、浅利さんは、そのdisc2に出演する。

「常に、やったことのないことをしてみたい思いと同時に、いろんな劇場に出てみたい欲もあって……。劇場って、それぞれに独特の匂いがあるんですよ。『レミゼ』が自分の芝居の原点にあるせいか、帝劇の匂いを嗅ぐと、勝手に『あ、ホームだ!』って思ったりもしますし(笑)。平幹二朗さんには、ギリシャには、真ん中にコインを落とすと、その音が劇場中に響き渡る、石でできた円形劇場もあると教えてもらいました。いつか、そういう舞台にも行ってみたいし、なんなら立ってみたい(笑)」

(取材・文/菊地陽子)

※週刊朝日 2018年8月10日号


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