大炎上「M−1」暴言騒動はなぜ収束しないのか?

大炎上「M−1」暴言騒動はなぜ収束しないのか?

■お酒をめぐる不祥事にスポンサーも激怒

 「M−1グランプリ2018」での審査を巡って、2017年チャンピオンのとろサーモン・久保田かずのぶ(39)と、スーパーマラドーナの武智正剛(40)が審査員を務めた上沼恵美子(63)に対して暴言を吐いたとして、大炎上している騒動。例年、M−1放送終了後1週間ほどは、他のお笑い芸人のラジオ番組で必ず結果やネタを巡ってさまざまな議論がなされるが、今年はネタや優勝者よりも今回の騒動に対するコメント一色の状況だ。審査員を務めるダウンタウン・松本人志(55)や上沼本人もコメントを出したのにもかかわらず、自体は収束する気配がない。

 実は、この騒動を「終わらせたくない人たち」がいるようだ。

「問題の動画はM−1の直後に配信されたものですが、動画の内容が明らかになるに連れて上沼恵美子やとろサーモンなどの単語が、ツイッターでのバズワードやニュース記事のアクセス解析などにどんどん挙がってきているんです。ここ数日はスポーツ紙や芸能系ニュースサイトもどこも『M−1バブル』で、とにかく次のネタがほしいという状態なのでもうしばらく続くでしょう」(スポーツ紙の電子版担当編集者)

 こうしたメディア側の思惑もあり、芸能界を揺るがす大事件へと発展したわけだが、基本的には久保田と武智に対する批判的な声が大きい。

「上沼さんは関西では絶大な人気を誇っており、若手芸人たちにとって上沼さんの番組に出ることは売れる上で大きなベンチマークになっているんです。彼女はその仕事のほとんどを関西のテレビ局にしぼっており、めったに上京することはありません。M−1審査員として上京する際には、ABCの社員が東京までお迎えするなど、上を下への大騒ぎなんです」(放送作家)

 そんな大御所に対して盾突いてしまった2人。暴言に関して世間から批判が殺到し、芸人人生が終わったという声も聞かれる。その一方で、もともとのお笑いファンたちからすれば、久保田の性悪な部分や、武智の人柄やM−1への思いを知っていれば、「さもありなん」という見方もなくはない話だろう。

 しかし、関西でこの騒動はまだ長引きそうだ。

「事務所がすぐに動き、上沼サイドに謝罪しました。スピード謝罪は異例で、それほど関西では大事だったということ。吉本興業の立場は、関西で絶大とはいえ、上沼は吉本所属の芸人をすごくかわいがってくれるので当然、気を使う相手です。すでに退職はしていますが、上沼の夫は、元関西テレビの敏腕プロデューサー。今でも同局や関西の放送界に影響力があると言われてますし、後輩局員などが“忖度”して、騒動を起こした2人を起用しなくなるのは目に見えています。関西では今後しばらく、彼らの出演は難しいでしょう」(同)

 上沼本人は「もう済んでいる話」と発言し、事態の収束を強調したものの、この騒動はすでに彼女がコントロールできないレベルに発展したようだ。

「騒動について『酒の勢いで出てしまっただけ』という同情的な声も一部で聞かれましたが、実は酒に酔ってやってしまったというのが問題で、M−1のプレミアムスポンサーのサントリーが激怒しているようです。芸能人のSNSでの炎上や、飲酒による刑事事件が頻発している昨今、そのダブルパンチで騒ぎを起こしたとなれば、いくら彼らにも言い分はあるとはいえ、厳しい処分を下さねばならない。彼ら自身は実際、酔っ払っていることを前提に、先輩に甘えて暴言を吐いたくらいかもしれませんが、暴言を吐いたことが問題というよりも、テレビに出る芸能人としてのコンプライアンスが問われているわけです」(在阪の民放プロデューサー)

■「更年期障害」発言をめぐり在阪各局にクレーム殺到

 さらに、武智のもうひとつの暴言も世間からの怒りを買ってしまった。

「一番多いクレームが、スーマラ武智の『更年期障害』発言に対してなんです。M−1の放送・制作局である朝日放送を始め、在阪各局に対してクレームが殺到しています。スーマラがレギュラー出演している関西テレビの番組には、毎日200件以上の抗議の電話が届いているとのこと。朝日放送の上沼さんの番組には、スーマラがゲストだったのですが、急きょ(お笑いコンビの)ミキに変更になったそうです」(同)

 元大手芸能事務所でお笑い部門を担当した経験を持つ評論家のkenji氏は、今回の騒動をこう見ている。

「上沼さんが来年の『M−1グランプリ2019』の審査員を降りるということが大々的なニュースになってしまうと、東京、名古屋、大阪どころかローカル局での活動が確実にしづらくなる。東京、大阪で露出が難しい場合は、芸能事務所として名古屋、福岡、北海道の順番にマネージャーは営業を回るが、今回の騒動でどこも使いたがらないでしょうね」

 今後、おそらく吉本興業から相当のペナルティーが課されるようだが、批判の声に関してはそろそろ収束してもいい頃だと思うが……。

「結局『M−1グランプリ』自体をどう捉えるかがポイントになると思います。お笑い界の頂点を決めるお笑いの賞レースなのか、それともテレビショーなのか……そこを改めて考えるべきでしょうね。今回の騒動は、番組の構成に目を向けられないぐらい、命がけで笑いに対して情熱を注いでいた芸人たちの気持ちの現れですが、残念ながらあまりにも品がなさすぎる。以前、志村けんさんが『人はお酒が入ると本当のことしか言わない』と言っていたことを思い出します。彼らにしてみたら、人間らしさやお笑いに対しての強い愛情と上沼さんへの承認欲求が、そうさせてしまったと信じたいところではあります」(kenji氏)

 要するに、芸人としてではなくテレビに出演するタレントとしての資質が問われているわけだ。一方で、彼らを擁護する声も少なからず挙がっている。

「まず2人ともすぐに謝罪をしています。また、乙武洋匡さん(42)がツイッターで『それはそれ。これはこれ。この3年間、たくさん救われてきました。ビデオテープだったら擦り切れるほど。それでも僕は、スーパーマラドーナの漫才が大好きです。頑張れ。頑張れ』と擁護していました。それ以外にも、吉本の各先輩たちからは厳しいお叱りとともに、同情の声も聞かれる。博多華丸・大吉の博多大吉さん(47)もしっかり説教をしつつ、武智の持ちギャグを使ったコメントを残すなど、彼らの行動に一定の理解を示している。たしかに2人とも好き嫌いはあれど、芸人としてのスキルは高く、ほかにはない持ち味もたくさんある。とにかく心底、謝罪して上沼さんやスポンサー、視聴者に受け入れてもらい、今後の仕事につなげていってほしいですね」(民放バラエティーディレクター)
 
 関東地区の平均視聴率が17.8%、関西地区では28.2%(ビデオリサーチ調べ)に達するなど、昨今のお笑い番組として最も注目度が高い「M−1グランプリ」。場外乱闘にばかり目が向いてしまっているが、一番の“被害者”は優勝した「霜降り明星」かもしれない。(ライター・黒崎さとし)




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