紅白のMISIAがきっかけで…鈴木おさむ、定額「音楽配信」に思うこと

紅白のMISIAがきっかけで…鈴木おさむ、定額「音楽配信」に思うこと

 放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は「無料や定額制で音楽を聴く罪悪感」について。



*  *  *
 昨年末のNHK紅白歌合戦。ネットでは神回だった!との声も多数。1年に1回の紅白なんだから毎回神回であってくれよ!とは思うが、確かに、40代以上では、桑田佳祐とユーミンが同じ画面におさまって歌っている姿に涙した人も少なくないだろう。最後のシーンは別として、あの紅白の中で、僕の中ではMISIAの歌声にまさに包み込まれた。鳥肌が立ったし、「MISIA、うめーーー!」と唸った人は僕だけじゃないはず。

 紅白が終わったあとに、思わずMISIAの「つつみ込むように…」を聴きたくなる。これも僕だけじゃないはず。だが、家にCDはない。さあ、みなさんだったら、どうやって聴くか? 特に40代以上の人はどうやって聴くのか? 40代以上で、定額のサブスクで音楽を聴いてる人はどのくらいいるのか? 今年47歳になる僕の音楽の聴き方は、2年ほど前まではCDとiTunesでダウンロードしたもの、両方を聴いてきた。そこから、CDを買わなくなり、iTunesでダウンロードのみになった。

 が、周りの人は、この1年で特に、スポティファイやLINE MUSIC、AWAなどのサブスクで聴いてる人がどんどん増えていった。20代前半の奴に聞いてみると、YouTubeか、無料で音楽を聴ける方法で聴いてしまっているという現実。音楽はただで聴くのが当たり前という感覚。

 僕らのような80年代にレコードとCDを買ったり、レンタルレコードで借りてきたものをダビングしてた世代にとっては、無料で音楽を聴くって胸が痛い、と僕は思っている。

 無料だけでなく、定額のサブスクで音楽を聴くのも、申し訳ないと思ってしまう。だって、毎月シングルCD1枚ほどの値段で好きなだけ音楽が聴けるなんて。なんで、こんなことで罪悪感を感じてしまっているんだと思うが。

 だが、昨年末のクリスマス、Amazonミュージックに山下達郎の「クリスマス・イブ」が入ってることを知った。ランキングを開くと、素敵なクリスマスソングがズラリ。思わずそれで聴いてみると、当たり前だけどサブスク便利だなと。当たり前なんだけどね。便利さが罪悪感を溶かしていく。

 その日をきっかけに、スマホによる音楽のサブスク聴きにハマってしまった。だから、MISIAの「つつみ込むように…」も、Amazonミュージックで、聴いてしまう。

 2019年にして、ようやくサブスクで音楽を聴くようになったおじさんは思う。アーティストの「アルバム」という概念はどんどん壊れていく。派手な曲のあとに地味な曲のあるバランスとかが良かったり、「あのアルバムの3曲目」みたいな概念はどんどんなくなっていく。

 そんな中、星野源のニューアルバム「POP VIRUS」が売れている。久々にCDを買った。1曲目から聴いていく。やっぱりアルバム聴きはいいなーと思いつつ、アルバム聴きの文化はさらになくなっていくだろうと思う自分がいる。

 5年後、どうなってるんだろう。

※週刊朝日  2019年1月25日号


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