お笑い界にスーパーコンビが帰ってきた。

「アンタッチャブル」が11月29日、バラエティー番組「全力! 脱力タイムズ」(フジテレビ系)で漫才を披露し、約10年ぶりにコンビ活動を再開したのだ。事前告知なしのサプライズ出演に、ネット上では大騒ぎとなった。

 アンタッチャブルはボケ担当の山崎弘也(43)と、ツッコミ担当の柴田英嗣(44)が1994年に結成したお笑いコンビ。2004年には「M−1グランプリ」で優勝している実力派だ。柴田が女性トラブルなどで10年から約1年間休業し、山崎はソロ活動へ。柴田が復帰後もそれぞれがソロで活躍し、コンビは復活していなかった。

 脱力タイムズでは、単独で出演していた柴田が、山崎に扮する俳優の小手伸也と漫才に挑戦するが、進行役のくりぃむしちゅー・有田哲平のダメ出しで小手は途中退場。再挑戦を望んだ柴田の声に応え、今度は山崎本人が突然登場した。柴田は「うわー!」と叫んで倒れ込むリアクションを見せつつ、漫才を見事披露した。

 2人とも芸能界での経歴が長いだけに、多数の祝福メッセージがツイッターで送られた。

「超久々のアンタッチャブルさんの漫才、最高でした!(中略)漫才界にとっても、こんな嬉しい事はない。 いやー。良かった!」(サンドウィッチマン・伊達みきお)

「アンタッチャブルさんの漫才を久しぶりに見れた。感無量!! 本当に本当に、すごい。見えない絆というか、センターマイクは人と人を繋ぐね。やっぱ面白い」(NONSTYLE・井上裕介)

 柴田は今回の復活劇について12月4日に、水曜レギュラーを務める文化放送の朝ワイド『なな→きゅう』(月〜金午前7〜9時)で心境を語った。復活には番組進行役の有田の協力があったという。

「ザワザワザワザワなるでしょ、どうせ。それだったらドンとやったほうがいいっていう有田さんの計らいだよね。あとフジテレビさんもそうですけど、俺も本当に知らなかったからね、現場で。(山崎に扮した)小手(伸也)さんが似過ぎてて、まず小手さんを本物と見間違えてびっくりしたっていうのもあったし、それで小手さんが失敗してハケちゃって、大丈夫かなって思っていたら、山崎が出てきて、超油断だよね。油断で興奮しちゃって大声出しすぎちゃって顔も真っ赤になった」

 10年ぶりの漫才は、過去の掛け合いを思い出しながら、勢いで乗り切ったようだ。

「まじでどのネタやるのかもわからないし。ベースになったネタもこれっていう答えないのよ、ほとんどアドリブだから。あの時も一応なぞってるけどアドリブだったから、どういう風に来んのかなぐらいの感じよね、俺としては」

 解散はしていなかったが、一部では不仲説もうわさされていた。柴田はラジオ番組で、山崎との関係を次のように語った。

「みんな信じないんだけど、俺と山崎は会ってたからね。誰も信じないけど(笑)誰もリークしないんだもん、だって。お店の人がやたら守ってくれたのかしら。ちょいちょい会ってたのよ、2カ月に1回とか長けりゃ半年に1回ぐらい会ってたからね」

 芸能評論家の三杉武さんは、アンタッチャブルの今後についてこう分析する。

「お笑い業界って、ファン目線でおもしろいと思う人と、業界内部のおもしろいと思う人とは、ズレがあることがあります。アンタッチャブルは視聴者やファンはもちろん、芸人仲間からも支持されていたコンビです。幅広い芸人さんたちが実力を認め、復活を待ち望んでいた。年末年始でバラエティーの特番が始まる直前、絶好のタイミングでの復活です」

 三杉さんはうまく復活できたのは、有田の存在が大きいと指摘する。

「有田さんはアンタッチャブルが売れない頃からかわいがり、山崎さんの魅力を発信した人、いわば“育ての親”です。お笑い好きなファンにはよく知られています。有田さんの番組で復活した、ということが、これだけ大きな反響の一因になっていると思います」
 
 山崎は「アメトーーク!」や「ロンドンハーツ」(いずれもテレビ朝日系)で人気芸人の座を確立してきた。コンビ再開はソロ活動にもプラスのようだ。

「山崎さんといえば、“暴走”と言えるくらい、立て続けにボケを繰り出せる人ですが、それを成立させるツッコミができるのは、ロンドンブーツ1号2号・田村淳さんや、有吉弘行さんら限られた方だけでした。やはり相方の柴田さんが、山崎さんのパワーを一番活用できる。今後はバラエティー番組のみならず、たとえばワイドショーのコメンテーターなど、活躍の幅が広がるかもしれません」(三杉さん)

 スーパーコンビ復活で、負けていられないと意気込む芸人もいる。南海キャンディーズの山里亮太はラジオ番組で、「漫才をちゃんとやらないとやべえな。だって、あんな面白い漫才をする人が帰ってきちゃった」と喜びながら語った。
 
 アンタッチャブル復活でお笑い界がさらに活気づけば、私たちファンも笑いながら新年を迎えられるかもしれない。
(本誌・緒方麦)

※週刊朝日オンライン限定記事