“恋愛モンスター”安田大サーカスのクロちゃんが真実の愛を語る連載「死ぬ前に話しておきたい恋の話」。今回のテーマは「卒業」。取材の途中、突如涙目になってきてしまったクロちゃん……どうやら、なかなか「卒業」できなかった元カノの話を思い出したようだ。別れの原因となったクロちゃんの悪い“クセ”とは? 失恋のショックから某ドッキリ番組では泥酔状態になった過去も―。



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「卒業」といえば、みんな何を思い浮かべるかな。

 ボクは、10年くらい前に付き合っていた彼女を思い出しちゃう。これまでの人生の中で「卒業」するのに、いちばん時間のかかった彼女だったからね。

 この連載で2月27日に配信した「禁断の恋」でも書いてあるけど、ボクは自分が好きになった相手が「好きなもの」を好きになる傾向がある。例えば、彼女が映画好きなら映画好きになるし、嫌いな食べ物でも、彼女が好きなんだったら、好きになれるように努力する。

 その彼女との恋愛も、まさにこのパターンだった。

 彼女が好きだったのは、赤ワイン。

 当時のボクは赤ワインがあんまり好きじゃなかった。体に合わないというか、飲むといつも変な酔い方になっちゃうし、味も別に好きじゃなかったんだ。それでも彼女のために、頑張って好きになろうとしてたの。

 それまでのボクの歴代の彼女って破滅型みたいなタイプが多くて、振り回されることがとても多かった。でもその時の彼女は、一歩引いてこっちをたててくれるような子だったから、これまで付き合った中で、結婚をいちばん強く意識した存在だったと思う。

 でも、結局ボクらは別れることになった……。

 原因はボクにある。

 彼女がボクのことをすごく好きでいてくれたから、完全に調子にのってたんだ。

 こうなるとボクは悪い“クセ”が出る。

 ボクは相手より立場が上っていうのが分かると、すぐにマウントを取ろうとしちゃうんだ。亭主関白っぽくなるというか、少し言い方は悪いけど、相手に対して全然餌を与えなくなる。惚れたほうが負けっていう感覚が強くなってしまうの。

 だから、彼女をたくさん傷つけてしまったのを覚えてる。

 彼女と別れた直後も「彼女はボクのこと大好きなんだから、きっと戻れる。2、3ヶ月したらもう一回付き合おう」くらいに甘く考えてた。

 でも、現実は違った。

「気持ちが切れちゃったからもう無理」って、彼女にはっきり言われちゃった。

 ボクは、ひたすら後悔して、引きずった。

 彼女が住んでいた町の近くをタクシーで通るたびに無意識に彼女の姿を探してしまったり、同じ香水をつけている女の子とすれ違うたびに思い出したりもした。

 ピークで悲しい時は、パチンコで確変が出ているのに泣いちゃってたこともあった。

 ボクはそれを先輩の芸人さんに見られていたみたいで「確変が出てるから喜んでるのかと思ったら、号泣してるし、異様な光景過ぎて、声かけられなかった」って、後日心配された。

 そして、あるバラエティ番組で、ボクの後悔は爆発した。

 後輩の芸人が、ボクにお酒をたくさん飲ませて、いろんなことを暴露させるみたいドッキリ番組があったの。ドッキリなんてボクはまったく気付いていなかったから、その時はかなりの量を飲んだみたいで、次の日、完全に記憶をなくしてた。

 後日、その番組がオンエアされていて、ボクは驚愕した。

 最初はビールやハイボール、レモンサワーを飲んでいたのに、いつのまにかボクは赤ワインを飲んでいたの。

 そして、赤ワインをガブ飲みしながら大号泣。

「俺には赤ワインしかないんだー!」
「もう戻れないからー!」

  って、わめいていたんだ……。

 正直、頭がおかしくなりそうだった。

 別れてから数ヶ月経っていたし、少しずつ立ち直れているような気がしていたのに「全然卒業できてないじゃん!」って、怖くなった……。

 オンエアを見て、いかに自分にとって彼女が大切だったのかを改めて思い知ったよ。

 彼女に対して、自分がもっと優しくなれていたら、もしかすると違う未来があったのかなって、今でもたまに考えるしん。

 この反省をちゃんと次の恋に活かさないと。

 ボクの場合は、尻にしかれるくらいじゃないとダメなのかもしれない……。

 もう二度とあんな後悔はしたくないしん!

(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)