今や大物司会者として「M−1グランプリ」(テレビ朝日系)や「アナザースカイII」(日本テレビ系)などでMCを務めるのがお笑い芸人の今田耕司(54)だ。バラエティ番組の顔としてすっかり定着し、キー局地方局合わせると10本の番組で司会を務めるほどに。そんな彼が出演している小林製薬「ハナノア」のCMが話題となっている。



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 同商品は花粉症の季節を見越した“鼻うがい”のための商品だ。CMで今田は商品を鼻の穴に突っ込み、もう片方の鼻から大量の洗浄液を垂れ流すのだ。これがSNSでもバズり、「CMがツボすぎる」「見てるだけで症状が緩和されそう」など大好評。小林製薬の担当者はネットメディアの取材に対し「反響が多数あり売り上げを大きく伸ばした」と話した(「オリコンニュース」3月10日配信)。

「業界内では『本当によくやるな』という声でもちきりです。小林製薬のCMは生理用品や腋汗ケア、デリケートゾーンにトイレ系の商品など、その商品の“顔”になるタレントが少し躊躇してしまうものが多いんです。そんな中で、あれだけの大御所でもまったく厭わず鼻から水をじょばぁーっと垂す、体を張ったCMをやるんですから驚きですよ」(広告代理店関係者)

 CMだけではない。彼の体当たりぶりは、本業のお笑い芸人として出演する「さんまのお笑い向上委員会」や「アメトーーク!」などでもよく見られる。司会としてゲストをもてなす責任から解き放たれた今田は、ひな壇の最前列に座った途端に切り込み隊長のようにツッコミを入れながら、話を脱線させボケていく。2月15日放送の『向上委員会』では、明石家さんまと巨乳美女との合コン話を暴露し話題となったが、活き活きとエピソードを話す姿はまさに水を得た魚のようのだった。

「週刊誌ではよくさんまさんや岡村さんなど『アローン会』の合コンの模様が報じられていますよね。飲み会の席では静かなのかと思いきや、自分から笑いをとりにいくことも多く、名司会らしく上手に話を振ってくれるらしい。自身が司会を務める関西の人気番組『特盛!よしもと』でも、たびたび合コンの後日談を話して笑いを取っています。独身とはいえ、自らの週刊誌ネタでしっかり笑いを取るのはさすがです。同番組では金額こそ言いませんでしたが自分のギャラについても言及するなど、若手芸人さながらのトークで盛り上げています。まぁ、本人が謙遜するほど、ギャラは安くはないはずですが……」(関西準キー局のスタッフ)

 大物になっても、若手のような体当たり仕事をしっかりこなす今田耕司に、後輩やスタッフなどからリスペクトの声があがっているというわけだ。彼のMC力について、前出のスタッフは、こう分析する。

「今田さんはその場の瞬発力があるので、どんな流れでも必ず笑いでシメきることができますよね。トーク番組をちゃんといい具合に面白い話にして着地させられる。きっとこれまで、ダウンタウンの松本さんや島田紳助さん、ビートたけしさんら様々な先輩たちの下で揉まれ、可愛がられてきたなかで培われたのでしょう」

■ダウンタウンから受けた英才教育

 お笑い評論家のラリー遠田氏は、ダウンタウンの影響が大きいと分析する。

「デビューしてからしばらくは『4時ですよ〜だ』『ダウンタウンのごっつええ感じ』などダウンタウンの番組を中心に活動していました。そこでは実質的に彼らに次ぐナンバー2のポジションとして仕切り役を務めることもありました。この時期にダウンタウンの2人からの“英才教育”を受けて、芸人としての腕を磨いていたのだと思います」

さらに今田は若手の親交も深く、面倒見がよいことでも有名だ。後輩から新しいお笑いスキルを吸収しているのかもしれない。

「今田さんは基本的に、自分も脱線していきたい人なので、実は司会進行が特別うまいわけではないのです。ただ、普段から大御所であろうと若手であろうと、相手を選ばずにうまく対応する技術に長けているんです。特にスポットライトが当たっていない芸能人を見つけて、なんとかチャンスを渡そうとする。そういう姿を見れば、だれでも現場で結果を残そうとがんばりますよね。そのおかげで、番組が面白くなることもあるので、後輩からも慕われるのです。ナインティナインの岡村さんなどは今田さんのことをかなりリスペクトしているようです」(お笑い事務所関係者)
 
 前出のラリー遠田氏は、今田が人気を博す理由をこう分析する。

「芸人として歩んできた道のりは東野幸治さんと似ていて、比較されることも多いのですが、東野さんは最近では報道系の番組を仕切ることもあるという点が異なります。今田さんは幅広いジャンルに対応できる能力がありますが、やはりネタ番組などお笑い色の強い番組で真価を発揮するタイプです。最近では『ザ・ベストワン』というネタ番組でMCを務めていましたし、『M−1グランプリ』で緊張感を保ちながらも随所で笑いを起こす司会ぶりは見事です。大規模なお笑い番組を安心して任せられるという意味では、唯一無二の存在だと思います」

 大御所と若手、両方からの信頼が厚い今田耕司。お笑い界で独特の地位を築いているようだ。(今市新之助)