東京五輪の延期と新型コロナウイルスの感染拡大は、国内の社会活動にこれまでにないダメージを与えている。特に、エンターテインメント業界はその影響がダイレクトに直撃した。2020年末の活動休止を表明しているジャニーズ事務所のアイドルグループ・嵐も例外ではない。



「新型コロナウイルスの影響で、今年2月に予定されていた北京公演はあえなく中止。さらに、5月15〜16日に新国立競技場で予定されていたファン待望のイベント『アラフェス 2020 at NATIONAL STADIUM』も延期に追い込まれました」(スポーツ紙記者)

 新国立競技場は、旧競技場時代から嵐が6年連続でコンサートを行ってきた聖地とも呼ぶべき場所。ゆえに、2日で約18万人の動員が確実視されていた。ジャニーズ事務所にとっては「ドル箱」になるはずだったが、大きな誤算となった。

「(ジャニーズ事務所は)グッズ販売を含め数十億円の売り上げを見込んでいましたが、一転延期となり、経済的にも大打撃を被ってしまった。そんな嵐にとって最後の大仕事は、NHKの東京五輪ナビゲーター。それも延期になり、まさに踏んだり蹴ったりです」(同前)

 そんななか、五輪の延期によりグループの「活動休止の延長」も検討されたという。その鍵を握るのは活動休止後、唯一芸能界から距離を置くとされているリーダーの大野智(39)だ。

「大野くんを除く4人は『国家的な危機なのだから(活動休止の)1年延期を検討しても良いんじゃないか』と主張したようですが、大野くんだけは『期限付きで頑張ってきたのに、いまさら心が追いつかない』と難色を示したといいます」(ジャニーズ事務所に近い芸能関係者)

 1999年のデビュー以来、リーダーとして人気グループを牽引してきた大野を巡り、ジャニーズ事務所内では水面下で「綱引き」が繰り広げられていたようだ。

「事務所幹部も含めて、大野と相当話合ったようです。検討を重ねた結果、折衷案が提示され、20年末に予定通り活動休止をする上で、翌年の『五輪関係の仕事のみサプライズ的にメンバー5人で行う』という落としどころになりそうです」(同前)

  活動休止発表後、大野は「芸能界を離れる」と公言。芸能活動に未練はなく、一般人になった暁には「思う存分、趣味の釣りに没頭したい」と周囲に話している。

 そんな大野は、2018年に一級小型船舶免許を取得したという。今後は“元アイドルの釣り人”として悠々自適に暮らしていくのかもしれない。

「大野に限らず、嵐のメンバー5人はすでに一生金に困らないほどの資産を形成しています。例えば、松本潤の場合は23区の中心部に複数のマンションを所有。大野も複数の不動産を所有している。事実上の芸能界引退とはいえ、経済状況には盤石なのです」(別のジャニーズ関係者)

 2016年の大みそかに解散したSMAPに続き、嵐というトップグループを失うことになるジャニーズ事務所。今年3月末には、元SMAPリーダーの中居正広(47)が退所し、ジャニーズ事務所は「新たな時代」に入りつつある。
 前出のスポーツ紙記者は「ジャニーズという後ろ盾がなくなっても芸能界で活動できる時代になってきた」と語り、その象徴として元SMAPの稲垣吾郎(46)、草なぎ剛(45)、香取慎吾(43)の躍進について次のように解説する。

「コロナの影響でイベントが延期になるなどの被害は同様ですが、彼らが出演するCMは相変わらず絶好調。『ファミリーマート』も『ロト6』も契約を更新し、堅調に露出を増やしています」

 3月上旬、稲垣がNHK連続テレビ小説「スカーレット」に出演。また、香取は4月4日放送のNHKの音楽番組「SONGS」にソロアーティストとして初出演し、存在感を見せつけた。

「実は、草なぎも21年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』に出演することが決まっており、近く発表されるといいます」(同前)

 嵐の活動休止と中居の独立――そして元SMAPの躍進により、ジャニーズ事務所を取り巻く芸能界の“新しい地図”は、今まさに塗り替えられつつある。(橋本浩史)