書くだけで尿もれが軽減!? 医師に聞いた「排尿日誌」と治療法

書くだけで尿もれが軽減!? 医師に聞いた「排尿日誌」と治療法

 人には相談しづらい尿漏れの悩み。日頃気になっているあんなことこんなことを、女性医療クリニック・LUNAグループ理事長の関口由紀医師に聞いてみました。Reライフマガジン「ゆとりら秋冬号」からお届けします。

*  *  *
Q:どのような状態になったら受診を考えるべきでしょうか。

 少し漏れても気になる人がいる一方で、けっこう漏れているのに放っておける人もいて、尿漏れの深刻さは人それぞれです。まず、趣味ができない、外出できないなど、QOLが低下してきたら受診のきっかけと考えましょう。そのほか、1週間に1回漏れるなら、受診がすすめられます。受診する科は、婦人科、泌尿器科、女性外来、女性クリニックなどです。

Q:とくに生活に支障がないので、尿漏れを放置していてもいいでしょうか。

 ゆるんだままの骨盤底筋を放っておくと、骨盤内にある膀胱や子宮、直腸などが膣から外に下がって出てくる「骨盤臓器脱」が起こるリスクが高くなります。骨盤臓器脱があると、頻尿や残尿感、尿漏れなどの排尿障害や便秘などが起こります。尿漏れに比べて治療もたいへんになります。生活に支障がないといっても、放置せず、最低でも定期的に骨盤底筋トレーニングはおこないましょう。

Q:「排尿日誌」をつけるといいと聞きました。排尿日誌とはどのようなものですか。

 とくに頻尿の改善や膀胱訓練をおこなう場合には、排尿日誌が必要になります。排尿日誌には、(1)トイレに行った時間、(2)尿量(紙コップやペットボトルを半分に切ったものなどを使って、だいたいの尿量を測る)、(3)尿意切迫感の有無、(4)尿漏れの有無、(5)尿意の強さ、(6)水分摂取量(飲んだ物と量)、(7)起床時刻、就寝時刻などを記入します。排尿日誌をつけると、自分の排尿の様子を客観的に見ることができて、それまでわからなかった問題点に気づくことがあります。また、排尿日誌をつけるだけで症状が軽減する人もいるくらいです。

Q:尿漏れで手術を考えるのはどんなときですか。

 手術がおこなわれるのは腹圧性尿失禁の場合です。尿漏れ・尿失禁で唯一の根治的な治療法です。骨盤底筋トレーニングや薬物療法で効果が上がらない場合に考慮されますが、なによりも優先されるのは患者さんの希望です。仕事や家事・育児に支障があるのできちんと治したい、尿漏れ・尿失禁を改善して活動的に過ごしたいなどの希望があれば、手術を考えます。早期に手術すれば効果が高くなるというような性質のものではありませんので、必要になったときに考えればいいでしょう。

Q:尿漏れケアグッズの上手な使い方を教えてください。

 パッド、ライナー、ショーツなど、いろいろな形の尿漏れケアグッズが販売されています。それぞれ特徴があるので、自分の尿漏れの程度に合わせて選びましょう。ケアグッズを使う際には、外出のときだけ使う、長時間トイレに行けそうにないときだけ使うなど、オンとオフを区別することが大切です。つねに使っていると、パッドかぶれが起こったり、パッドなしでは不安になる依存に陥ったり、使っているからちょっとくらい漏れたっていいやとトレーニングの成果を台無しにしかねません。

Q:どうしても骨盤底の場所を意識できません。どこかで指導を受けることはできますか。

 最近はスポーツジムで骨盤底筋トレーニングのクラスを設けるところも増えてきました。また、自治体や大学の健康講座で骨盤底筋トレーニングをとりあげることがありますので、それらを利用するといいでしょう。治療の一環として、クリニックで指導してもらうこともできます。この場合は受診料が必要ですが、マンツーマンでの指導が受けられるので理解しやすく、重症な方にはおすすめです。

(文/別所文)

※「ゆとりら秋冬号」から抜粋

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