「PTAはある?」「親の英語力は?」 インターナショナルスクールで気になる9のギモン

「PTAはある?」「親の英語力は?」 インターナショナルスクールで気になる9のギモン

 子どもには世界で通じる教育を受けさせたいと考える人も多いだろう。国際的な教育を実践している代表格といえばインターナショナルスクール。「AERA English特別号『英語に強くなる小学校選び2019』」では、アオバジャパン・インターナショナルスクール入学課ディレクターで、自身も国内のインターナショナルスクール出身の木村愛さんと、3人の子どもを国内のインターナショナルスクールに通わせた経験を持つ、グローバルインターナショナルスクール&塾代表の石塚美紀さんに取材。「どうやったら入学できるの?」「日本の大学には入れる?」など、素朴な疑問について聞いた。

*  *  *
Q1 インターナショナルスクールは誰でも入れるの?

A インターナショナルスクールは、もともと日本に住む外国人児童・生徒のための学校とされている。受け入れる日本人の割合を定めているところもあるが、アオバジャパン・インターナショナルスクール(以下、アオバ)は、特に国籍の割合を決めていない。

「帰国子女の日本人生徒が多いことも日本人の割合を限定しない理由の一つです。国際的な視点を持ち、世界をよくしたいという思いで行動できる国際人を育てるという理念を持っています。同時に、数年しか日本にいない外国人児童にとっても意義深い学校でありたいと思っています」(木村さん)

Q2 どんな入学試験が行われるの?

A「書類審査、面接、筆記試験が一般的です。カウンセラーが心理テストのようなスクリーニングをする学校もあります」(石塚さん)

 学校によって合否の判定基準はさまざまだ。

「アオバの場合、合否につながるいくつかの評価基準はありますが、グレード1以上の英語の試験に関しては、合否ではなく、英語のサポートが必要かどうかを見ています。サポートが必要な生徒の枠は1クラスあたり30%と決めています。幼稚園以下はイマージョンクラスなので、クラス分けをせずに授業を行います」(木村さん)


Q3 面接ではどんなことを聞かれるの?

A 日頃から、家族のコミュニケーションが取れているのかを見られていることも多い。

「校長先生が父親に『息子さんは何が好きですか?』と質問して、『野球が好きです』と答えたものの、横で子どもが『違うよ、サッカーだよ!』と答えるのはNGでしょうね(笑)」(石塚さん)

「その学校の教育理念を理解しているかどうかなど、書類ではわからないことがわかるので、面接はとても重要です。手間をかけても、時間をたっぷり確保します」(木村さん)

Q4 入学時に英語力が必要? 

A 学校や入学する年齢によって状況は異なる。

「アオバの場合、キンダーであれば、英語力は必須条件ではありませんが、子どもまたは保護者のどちらかが話せる場合が多いです。『共通語』は英語ですが、日本人同士が日本語で話すことは制限しません。母語の否定は、コミュニケーションの否定につながります。国際バカロレア(IB)カリキュラムに基づいて母語と、母国の文化を尊重しています」(木村さん)。

「小学校になれば、『英語で学ぶ』ことになるので、ネイティブレベルの英語力が必要と考えたほうがいいでしょう。グレード5(小5)になると小論文の執筆や、高度なスピーキング力を必要とされることもあります」(石塚さん)

Q5 親の英語力はどれくらい求められる? 

A 木村さんによると、日本人スタッフがいて日本語対応のある学校でも、父母のどちらかが英語を話せるほうがいいという。

「アオバの場合、保護者には学校のコミュニティーに参加していただくことを推奨していますが、保護者の中には日本語ができない方もいますので、やはり共通語の英語が必要になります」。

 石塚さんは「もし得意でなくても、英語を勉強中で、頑張っているとアピールするといいですよ。子どもがインターナショナルスクールに入ったことがきっかけで、英語を話せるようになった保護者はたくさんいらっしゃいます」


Q6 日本の義務教育を修了したことになる?

A インターナショナルスクールの多くは、学校教育法第一条に定められた学校(一条校)ではないので、義務教育を修了したとは認められない。ただし自治体で対応は異なる。

「インターナショナルスクールに通いながらも義務教育を修了したことにするために、居住する地区の公立小中学校に籍だけ置くことを認めている自治体もあるそうです。インターナショナルスクールのない地域に引っ越す必要があった場合、その地域の公立校への転入が認められたケースを聞いたこともあります。逆に拒否される場合も」(木村さん)。
居住地の自治体の方針を確かめよう。

Q7 PTAはあるの?

A 日本のPTAのような組織もあるが、それとは別にBoard Memberという運営委員会のような組織もある。保護者だけでなく卒業生もメンバーになっていて、学校行事などを盛り立てる。

「たいてい代表はPresidentと呼ばれ、各国を渡ってきた経験豊富で世話好きな方が多いです。みなさん活動を楽しんでいて、『働いているので、できることだけやります』というスタンスでも大丈夫。あるPresidentは、ミーティングの最後は必ず、『Are you happy?』と聞いて、参加者の同意を得ていました」(石塚さん)

Q8 日本の大学に入れる?

A 一条校以外のインターナショナルスクールでも、CIS(Council of International Schools)やWASC(Western Association of Schools andColleges)といった世界規模のインターナショナルスクール評価団体の認定校を卒業するなら、高等学校卒業程度認定試験(旧・大検)を受けずに、日本の大学への入学資格が得られる。

 またIBでDPを修了した場合は、今のところ国内52大学(文部科学省のホームページから)への受験資格がある。
「ただ、日本の大学受験に対応できる力があるなら別ですが、IB以外は帰国子女枠で受けるパターンが多いです」(石塚さん)


Q9 通わせるにあたって、親はどんな心構えが必要?

A ここ数年の傾向として、「小学校はインターナショナルスクールで英語力をつけ、中学は受験して日本の進学校へ入れたい」という相談を受けることもあるという石塚さん。

「途中から日本の学校に行くのは、子どもにとってとても負担が大きいと思います。インターナショナルスクールを選んだら、高校卒業まで行かせる覚悟が必要です。途中での進路変更は日本語と英語、どちらも中途半端になるかもしれません。真の国際人は、母語もしっかりしているべきです。それを支えてゆくのは親です。親の教育姿勢が本当に大切です。経済面もしっかり検討してください」(石塚さん)

◯取材協力
木村愛さん
アオバジャパン・インターナショナルスクール 入学課ディレクター。国内のインターナショナルスクールで学び、国際バカロレアDPを修了。外資系金融機関などを経て現職。

石塚美紀さん
グローバルインターナショナルスクール&塾 代表。3人の子どもを国内のインターナショナルスクールに通わせた経験を生かし、塾を設立。受験のアドバイスをしている。

(文/名村雅代)


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