期待集まる「N中等部」 従来のフリースクールにはない魅力とは?

期待集まる「N中等部」 従来のフリースクールにはない魅力とは?

 角川ドワンゴ学園「N中等部」が来春開校する。「居場所」だけではなく社会で生きる武器を身につける機会が得られるとして注目を集めている。

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 地方の私立進学校から都内の公立中学に転入して以来、息子の顔は暗くなっていった、と40代の母親は言う。

「周りが親の職業でマウンティングし合っている」「前の学校みたいに話が合う友達がいない」──。そう漏らしていた中2の息子はやがて不登校となった。高校受験も気になり始めた頃、「N中等部来春開校」のニュースを知った。

 N中を開設するのはネットを使った通信制高校「N高等学校」を運営する角川ドワンゴ学園。現在の法律では通信制中学は認められておらず、既存の中学校に在籍しながらN中に通学する。標榜するのは「これまでにない学びの場」。校舎は東京のみで定員40人の予定だったが、問い合わせが殺到。大阪にも開設し、それぞれ定員を150人に拡大。さらに増設も検討中だ。

 柱となるのはN高につながる一貫教育だ。6年間で中学範囲から大学入試対策まで、映像授業を使い各自のペースで学ぶ。生徒によって小学校からの復習もできるし、先取り学習も可能だ。特徴的なのは、ドワンゴの現役エンジニアなどが講師となるプログラミング学習と、グループで課題解決などに取り組む探究型学習。説明会でN高の奥平博一校長はこう強調した。

「社会で生きるための武器を見つけてほしいんです」

 従来は、不登校の中学生が通えるのはフリースクールや教育支援センターなど「居場所」や「学校への復帰支援」を目的とする場しかなかった。それに対しN中が目指すのは、「居場所」+「実践的なスキルを学べる場」だ。前出の母親は期待する。

「息子は人工知能にも興味があるので合っているのでは」

 一方、文字の読み書きなど「学習障害」を抱える小学6年生男児の父親(49)は、N中はiPadを使い自分のペースで学べると知り入学を考えたが、小5程度の学力が必要と言われ、あきらめた。

「残念ながら息子はそのレベルに達していない。学習障害の子の選択肢は極めて限られているのが現状」(父親)

 N中側もこう話す。

「切実な声と受け止めている。ただ初年度なので、どれだけ個別対応ができるかという問題もあり、今後の課題だ」

 不登校といっても事情はさまざま。N中だけでなく、多くの選択肢が求められている。(編集部・石臥薫子)

※AERA 2018年12月10日号


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