「自分はストーカーだったのか」加害者が気づける教育とは?

「自分はストーカーだったのか」加害者が気づける教育とは?

 全国のストーカー被害は5年連続で2万件を超え、ストーカー規制法が成立して以来、過去最高を記録した。後を絶たないストーカーの問題の根絶には何が必要なのか。



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「被害者だけを守っても限界がある。被害者を守ることと、加害者が更生していくことは両輪です」

 そう話すのは、ストーカー問題に取り組むNPO法人「女性・人権支援センター ステップ」(横浜市)理事長の栗原加代美さんだ。同法人は2011年4月から、ストーカーやDV加害者を対象にした「選択理論(チョイスセオリー)」と呼ばれる更生プログラムを取り入れ、加害者の更生に力を入れる。

 プログラムは週に1度、全52回。加害者10人ほどがグループになり、怒りの感情を抑える対処法を学び、「自分の思い通りになってほしい」という理想像を押しつけず、相手を尊重する気持ちを養っていく。受講者は30代、40代が中心で女性も1割いる。これまで500人近くが受講し、約8割に変化が見られたという。

 突然自分の前から姿を消した妻子を、暴力団を使ってでも捜し出し、妻子を殺して自分も死のうとまで思い詰めていた男性(40代)は、知人に促されてプログラムに参加。思いを吐き出し議論するうち、自分がやってきたことはストーカーやDVだったと気づき、殺意も消えていったという。

「怒りや不安を抑え、思考をプラスにできるように支えれば、ストーカー加害者のほとんどは更生できます」

 だが、課題はある。こうした治療は任意で費用も自己負担なので、自分を変えようという意思のある人しか参加しない点だ。警察庁が16年度から始めた加害者に治療やカウンセリングを勧める取り組みでも、17年4〜12月の間の受診率は20.7%。加害者が「自分は病気ではない」などと拒否する場合も多い。

 ストーカーの根を絶つにはどうすればいいか。栗原さんは「教育が必要」と説く。

「初期の段階で芽を摘むことです。相手の気持ちを尊重し、嫌がることをしてはいけないと、義務教育の段階から教えることが大切なのです」

(編集部・野村昌二)

※AERA 2019年3月25日号


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