禁断の「駄菓子」サワーが“せんべろ”で大人気。創業者のマル秘レシピは…

禁断の「駄菓子」サワーが“せんべろ”で大人気。創業者のマル秘レシピは…

 禁断のマリアージュが進んでいる。子ども時代にハマった懐かしの味に、大人の楽しみ、アルコールがやけに合うのだ。AERA 2019年9月23日号から。

*  *  *
 東京・池袋駅から東武東上線で5分の大山駅。駅近くには二つの長い商店街があり、1千円程度で楽しめる“せんべろ”の名店が多数軒を連ねる。この一角に店を構えるのが、7月8日にオープンした「大衆酒場 ろくふみ」だ。



 常連客が楽しげに飲んでいたのが、「すももサワー」と「アンズ棒サワー」。昔懐かしの駄菓子、すももを赤いシロップに漬けた「すもも漬」と、あんずの果実をシロップに漬けた「あんずボー」を使った酒だ。

 店主の佐藤繁男さん(44)はきっかけをこう語った。

「お客さんから『こういうのはどう?』と提案されたんです。気軽に飲めるし懐かしいし」

 せんべろ店「晩杯屋(バンパイヤ)」で長く店長を務めていた佐藤さんは、独立するに当たり、ほかの店と差別化を図る酒のメニューを探していた。さっそく、駄菓子のすもも漬とあんずボーで試作。焼酎やサワーに入れて飲むと、実にうまい。特に、すもも漬を入れたサワーは、シソエキスとリンゴ果汁が主原料の清涼飲料水「バイス」で割ったサワーよりもパンチが利いた味で、好みにドンピシャだった。

「おいしくするために試行錯誤して、最終的に決まったのが今の形です」(佐藤さん)

 すもも漬はシロップごと氷の入ったグラスに投入し、“下町の焼酎”と呼ばれるキンミヤ焼酎を注ぎ、客の好みで炭酸で割ってもらう。あんずボーは凍らせ、氷入りグラスの氷彩サワーに加え、よくかき混ぜる。

 こうした駄菓子サワーが昨今増えているらしい。東京都内を中心に「せんべろ酒場情報」を掲載する「せんべろnet」管理人のひろみんさんは言う。

「お酒と駄菓子の組み合わせは、ここ数年、立ち飲みなどでよく見かけます」

 すもも漬サワーとあんずボーサワーはその筆頭格だ。駄菓子があれば自宅でも作れるため、SNSを中心に注目を集めているようで、サンミュージック所属のクックパッド芸人、藤井21さんは、「(すもも漬サワーを)駄菓子問屋のおばちゃんに教えてもらったんだけどこれは天才の仕業」(7月17日のツイッターから)と絶賛した。

「酎ハイと10円の粉ジュースの組み合わせもあり、珍しいなと感じました」(ひろみんさん)

 前出の佐藤さんは、アイスクリームの「ピノ」と「パルム」を使ったサワーも試作。キンミヤ焼酎にピノかパルムを入れ、豆乳で割る。パルムはなかなか溶けず飲みづらかったが、“ピノサワー”は「驚くほどうまかった」。冷凍庫のスペースの問題で、商品化はしていない。

 菓子と酒のコラボを販売元はどう捉えているのか?

「まったく想定していませんでした」と語るのは、創業大正4年、あんずボーを作る国内唯一のメーカー「港常本店」社長の鈴木健史さんだ。2代目社長の妻があんずの里である長野県更埴市(現・千曲市)出身で、あんず菓子の製造がスタートした。

「あんずボーとお酒の話をはじめて聞いたのは、会社の近所のもんじゃ屋さん。結構前のことです」(鈴木さん)

 しばらく動きはなかったが、ある頃から居酒屋から問い合わせが入るようになり、SNSで話題になっていることを知った。社内でも「試してみよう」という話になったという。

「私も焼酎を炭酸で割り、あんずボーを入れて飲んでみました。杏露酒を足すのが私のおすすめ。香りが良くなって、よりおいしいですね」(鈴木さん)

(ライター・羽根田真智)

※AERA 2019年9月23日号より抜粋


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