今年も新年の初競りで、大間のマグロが2億円近い価格で競り落とされて話題になっていました。



 あの大きさのマグロを握り寿司にすると、1貫あたり約2万円になる計算だとか……。それをお店では1貫約200円から400円で食べられるということで、あっという間に売り切れたみたいですね。

 単純に考えると大きな赤字ですが、毎年競り落としている寿司チェーンさんは宣伝広告の効果が大きいこともあり、毎年やられているとのことです。

 日本国内のマグロの水揚げをみると、上位3県は、静岡、宮城、宮崎となっていて、青森県は入っていません。本マグロ(クロマグロ)だけに限ってみても、青森は長崎、鳥取に次ぐ3位となっています。マグロは太平洋を広く回遊しているので、日本各地で取れるんです。

 では、なぜ大間のマグロばかりがこんなに注目されているんでしょうか?

 青森県下北郡大間町は、恐山でも有名な下北半島の北の端、つまり本州の最北端に位置する小さな漁村です。

 この大間沖は、東は親潮と黒潮がぶつかり、西からは対馬海流が入ってくるなど非常に複雑な潮の流れとなっています。その結果、プランクトンが豊富で、マグロの餌となるイワシやサンマも多く、昔からマグロの産地として有名でした。また潮の流れが速いことから、マグロの身もよく締まっているんです。

 さらに、マグロが餌となる魚を追って大間沖に入ってくる11月から12月ごろには水温が低くなっており、マグロが皮と身の間に脂をしっかり蓄え、脂のよく乗った非常においしい状態になっているんです。100キロを超える大物も結構取れます。

 毎年初競りで高値で取引されるのも200キロ級の大物ですよね。

 この大間沖で取れた本マグロが、大間のマグロとして毎年高値で取引されているんです。

 さらに大間は、昔から一本釣りにこだわった漁師さんが多いことでも知られています。

 世界的に主流となっている延縄(はえなわ)や網に比べてマグロのストレスが少なく、非常にいい状態で出荷される魚が多いことも、大間のマグロの価値を上げているんです。

 こうした好条件が重なって、大間のマグロはおいしいという評判が広がり、高いブランドイメージを形成しているんです。

 でもサンマなどほかの魚と同じく、近年は温暖化の影響なのか、大間沖のマグロの量も減っているとのことです。

 このように非常に貴重な大間のマグロですが、くら寿司では、この大間のマグロを、1月16日までの期間限定で、1貫200円で提供しています。

 残りわずかな期間ですが、もし都合のつく方はお近くのくら寿司で、貴重な大間のマグロを味わってみてください。個人的な感想ですが、他の地域のマグロに比べて、味が濃厚でしっとりとしているように思います。

 また、今回大間のマグロを食べ逃した方は、定番商品の熟成まぐろ(2貫100円)を試してみてください。東京大学大学院で分析していただき、厳密に管理された最高の条件下で、最適と判定された48時間熟成された熟成まぐろも、非常に濃厚でしっとりとしていておいしいですよ。

※AERAオンライン限定記事

◯岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2019年11月から、執行役員 広報宣伝IR本部 本部長