「働きたい!」「転職したい!」と思っても、なにかと制約が多い小学生ママ。でも、働き方の多様化が進み、社会は以前に比べてずっと働きやすくなっています。「AERA with Kdis冬号」ではママたちの“わがまま”をかなえる働き方について、専門家に取材し、具体的な悩みに答えてもらいました。

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 ここ数年、子育て中の女性たちの就業率がグンと上がっています。多くの女性たちのキャリアカウンセリングを行うキャリアカウンセラーの水野順子さんは「会社勤めだけでなく、フリーランスや在宅など、何らかの形で自分で収入を得る人も増えています」と話します。これは政府が進める「働き方改革」による、働き方の多様化も影響しているといわれます。

 主婦層のワーキング事情に詳しい「しゅふJOB総研」の川上敬太郎さんも「国が法律を整備する一方で、企業は新しいシステムを取り入れるなど、各所の工夫や挑戦が同時に動いています。仕事も細分化されて職種が増え、環境がだいぶ変わりました」と話します。

「『働きたい』という気持ちを持つお母さんたちの大半が『16時には帰りたい』『結婚前に携わっていた職種に就きたい』など、だいたい三つ以上の希望条件を持っています。以前は、その希望がかなわず仕事をあきらめる人が多数いましたが、これからは自分らしく働けるスタイルが選べる時代になるでしょう」(川上さん)

“わがまま”が通る働き方が増えるのは大歓迎。でも、自分らしい働き方や仕事はどうやって見つけるの? お二人にママたちの具体的な悩みに答えてもらいました。

【お悩み1】
「ずっと人事部で働いています。転職して別の分野に挑戦したいけど、何ができるか不安です」(雅美さん 42歳)

 転職して、自分の力を試したいと考える時期にいる人も多いはず。

「今までの仕事で培ったスキルはあらゆる面で活用できます。たとえば、人事でも採用担当だったのなら、『会社の魅力をどう発信するか』『採用目標の達成』といった仕事がそのままマーケティングや営業の仕事につながります。経理や法律関係の知識を身につけていたのなら、この知識は次のキャリアに必ずつながります」(川上さん)

「このタイミングを大切にして、スキルよりも『自分はなにをしたいか』を今一度じっくり考えてみるのもいいですね。40代は、この方のように転職を考える人がとても多い年代。女性が働きやすい社会に変化する中で『キャリアアップ』をめざす女性が増えています。そこで、資格を取って人事を『極める』という考え方もあると思います。社会保険労務士や中小企業診断士などは人事とつながりやすいですし、大学職員として学生の就職支援をしたり、人材紹介会社でコンサルタントを担当したりする人も。自分が仕事で関わった取引先や相手方の仕事とは、親和性が高いもの。参考にしてみてください」(水野さん)

【お悩み2】
「証券会社勤務です。忙しさに疲れました。資格を生かして、フリーで独立したいのですが」(香苗さん 43歳)

 会社に属さず、マイペースで。フリー(フリーランス)も憧れの働き方ですが、現実はどうなのでしょう。

「フリーと被雇用者には二つの大きな違いがあります。ひとつは、仕事。被雇用者は、仕事が常に用意されている状態です。対して、フリーは自分で仕事を見つけなくてはいけません。もうひとつ、被雇用者は福利厚生などで守られていますが、フリーは自分で自分を守らなくてはいけません。でも、フリーには自分の行動を自分で決めることができる自由さがあります。この違いをしっかり理解して準備を行うのが賢明です」(川上さん)

「フリーにも、契約の締結や事務的な手続きが必要な場合があります。納期も厳守しないと信用に関わりますし、次につなげるためには責任感はもちろん、自己管理能力も問われます。次がなければ、ただの趣味になってしまいますよね。でも、『これができます!』という確固たるウリがあり、それを上手に発信することができれば今は稼げる時代。フリーという『経営者』であることを自覚して仕事に臨む姿勢が大切です」(水野さん)

【お悩み3】
「ずっと同じ場所で働くのは息がつまるタイプ。どんなところで働けばいいですか?」(美紀さん 35歳)

 短期や派遣など、期間が決まっている仕事や職種は、年々、募集も応募も伸びています。

「久しぶりに働くという人や、仕事とプライベートをしっかり分けたいという人は、期間限定の仕事や派遣のスタイルを選ぶケースが多いですね。仕事の内容が明確ですし、期間が決まっているので、職場の雰囲気が合わなくても、『あと○カ月だから』と割り切って働くことができるのもメリットです。人手不足ということもあり、派遣の仕事は未経験OKの募集も増えています。自分がやりたい分野を選ぶといいですね」(水野さん)

「働くことで大切なのは『本意か、不本意か』ということです。一つの職場にしばられるのではなく、ほかのことも経験してみたいという人などは、正社員ではなくあえて短期や派遣、契約社員を選んでいます。その働き方が本意なのです。そこで、自分はどんなスタイルが本意なのかを考えてみましょう。もし正社員にこだわりがないのなら、短期や派遣の仕事はおすすめです」(川上さん)

「AERA with Kids」ではそのほかにも、実際にやりたいことや譲れない条件を通して、楽しく仕事と子育てを両立しているママたちにインタビュー。ぜひ参考にしてみてください。