この春から小学校5、6年生で英語が正式な「教科」になる。将来に生かせる英語を楽しく身につける方法は何か。小中学生向けのニュース月刊誌「ジュニアエラ」4月号では、「英語が好きになる」を特集。著名人たちの英語決めフレーズも紹介する。

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 世界で英語を公用語・準公用語とするのは78カ国。ただ、それ以外の国や地域でも幅広く英語が使われている。実は世界で一番多くの人が「母語」として使っているのは中国語。次いでスペイン語、英語の順になる。しかし、英語は母語でなくても使える人が多く、国際会議の場や多文化間のコミュニケーション手段としても使われる。英語は世界で最もポピュラーな言語といえるね。

 英語を学ぶことには、いろんな意味がある。一つ目はコミュニケーション力が磨かれる。自分の言いたいことを人前で堂々と話せるようになったり、相手の話をきちんと聞く力を身につけたりするのにも効果的だ。二つ目は、さまざまな国や地域について知ることができる。世界にはいろいろな考え方があることがわかると、寛容な心を持てるようになる。三つ目は、将来の可能性を広げられる。英語を「社内公用語」にしている日本の企業はすでにたくさんあるけれど、みんなが大人になって社会で活躍するときには、今よりもっと多くの外国籍の人が身近になる。今後は日本で働くうえでも、英語がより必要になるはずだ。

 この春から小学校3、4年生で英語が必修に、5、6年生で教科になる。教科になるとテストの点数や成績ばかりに目が行きがちだけど、それで英語に苦手意識を持ってしまうのはもったいない。大切なのは、実際に英語を「使える」ようになることだから。

 みんなは母語である日本語をどのように覚えてきたかな? きっと赤ちゃんのころからたくさんの言葉に触れて、本を読み、文章を書き、会話をすることで少しずつ習得してきたはず。それは英語においても同じこと。毎日英語に触れ、失敗しながら実践を繰り返すことで、自然と身につけることができるよ。

 小学校5、6年生で英語の授業は年間70時間(週2時間)程度。そのほかにも毎日英語に触れられるよう、まずは自分が楽しいと思えることから始めてみよう。

●玉川大学名誉教授・佐藤久美子さんに聞く

「ジュニアエラ」のキャラクター、コビンが英語でのコミュニケーションについて、英語教育の専門家、佐藤さんに聞いた。

――英語で話すのって、ちょっと緊張しちゃうな。上手に話せるコツを教えて。

 上手に話そうとする必要はないよ。大切なのは「伝わる」こと。それって日本語で会話するときとまったく同じことなの。

――えっ、そうなの?

 日本語でも英語でも、もじもじして小さい声で話すよりも、ハキハキした声で相手の目を見ながら笑顔で話したほうが伝わるよね。話す内容も相手のことを考えて、何をどういう順で話したら伝わりやすいか、みんなも普段から無意識のうちに考えているはず。

――確かにそうだね。英語だからって構えなくてもいいんだ。

 あとは言葉で通じない分、ジェスチャーで示したり、写真や絵、地図を見せたりしたほうが伝わりやすいこともあるよ。

――伝えるって、言葉だけじゃないんだね。

 その通り。自分なりにいろいろ工夫してみてね。英語を使ってプレゼンテーション、スピーチをするときや、会話をする相手と内容が予想できる場合は、会話のシミュレーションをして、事前に準備をしておくといいかもね。

――ボク、もっと英語で話したくなってきたよ。でも英語で会話をする機会があまりなくて。

 今、多くの学校にはALTがいるよね。英語の授業以外でも積極的にいろいろ話しかけてみるといいよ。

――そっか、今度一緒に給食を食べてみようかな。あと、ボクの学校ではときどき、外国から留学生が遊びにくることがあるんだ。

 それは絶好のチャンス。英語が公用語でない国のお友達でも、英語を学ぶ人は多いから、お互いの国についてぜひ話をしてみてね。

――今年の夏にはオリンピックもあるし、街にも外国の人が増えるはずだよね。知らない人に話しかけてみるのはどう?

 マナーさえ守ればもちろんOKよ。私のオススメは、外国の人がたくさんいる観光地で会話をしてみること。相手のことを聞きながら、日本のことを紹介できたらきっと喜ばれるはずよ。

――仲良くなって、友達になれたらいいな。

 共通の話題や趣味が見つかると、友達になりやすいよ。もし相手もOKなら連絡先を交換して、その後もメールやスカイプなどで交流できちゃうかもね。

――ワクワクするね。よし、思いきってチャレンジしてみよう!

●著名人たちの決めフレーズから英語を学ぼう!

【日本 錦織 圭(テニス選手)】
I don’t know what’s going on.
(何が起こったのかわかりません)
2014年ジョコビッチ選手に勝利した後で

【韓国 BTS防弾少年団(アーティスト)】
What is your name? Speak Yourself!
(あなたの名前は何ですか? あなた自身を語ってください!)
2018年国連でのスピーチで

【パキスタン マララ・ユスフザイ(ノーベル平和賞受賞者)】
One child, one teacher, one book and one pen can change the world.
(ひとりの子ども、ひとりの教師、1冊の本、そして1本のペンで世界を変えることができるのです)
2013年国連でのスピーチで

【イギリス ハリー王子】
Thank you for giving me the courage to take this next step.
(私に次の一歩を踏み出す勇気を与えてくれてありがとう)
2020年1月のインスタグラムから

【ポルトガル クリスチアーノ・ロナウド(サッカー選手)】
We don’t want to tell our dreams. We want to show them.
(僕らは夢を語りたくない。夢を見せたいんだ)
2011年10月のツイッターから

【アメリカ ビリー・アイリッシュ(2020年グラミー賞5冠のアーティスト)】
It doesn’t make you weak to ask for help.
(助けを求めることは人を弱くしない)
2019年のインタビューで

【アメリカ トランプ大統領】
How is the Paris Accord doing? Don’t ask!
(パリ協定はどうなってるかって? 聞いてくれるな!)
2020年1月のツイッターから

【エチオピア アビー首相】
War is the epitome of hell for all involved.
(戦争は関わるすべての人にとって地獄の縮図です)
2019年ノーベル平和賞授賞式にて

※月刊ジュニアエラ 2020年4月号より