自分や家族に発熱やけん怠感があり、もしかしたら新型コロナウイルスに感染しているかもしれない。そんな時、私たちはどうするべきなのか。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師に聞いた。

「まずは、おかしいと感じたら発熱していなくても、かかりつけ医に電話で症状を相談してください。厚生労働省の示す目安まで待っていたら、手遅れになる可能性があります」

 厚労省のホームページでは、「風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く(高齢者や基礎疾患がある人は2日ほど)」、「強いだるさや息苦しさがある」といった場合、「帰国者・接触者相談センター」に相談するよう示されている。

 だが、3月29日に亡くなった志村けんさんの場合、17日にけん怠感を覚え、19日に発熱や呼吸困難の症状が出て、20日に肺炎と診断され入院。23日になって新型コロナウイルスの検査で陽性が判明している。症状の進行は思いのほか速い。味覚障害のように、目安にない症状から陽性が発覚するケースも出てきている。

 従来どおりの目安で十分なのか。厚労省の担当者は取材に対してこう回答した。

「受診の目安として書いているつもりですが、急にだるくなるようであれば、柔軟に『帰国者・接触者相談センター』や専門医に連絡していただくことも当然あって然るべきだと思います」

 では、家庭内に感染の疑いがある人が出て、検査を受けて結果が出るまでの間はどう過ごすべきか。前出の上医師が語る。

「感染すると重篤化しやすい高齢者や基礎疾患がある人は、予防策として感染者のいない家へ一時的に避難することが望ましいです」

 それが状況的に難しい場合や、比較的、重篤化のリスクが低いと考えられる同居者の場合、次のような工夫をすべきだという。

「部屋を別にするなど生活空間を分け、食事も一緒にとるのを避けてください。コロナウイルスは皮膚に触れても染み込んでくるわけではなく、目・口・鼻などの粘膜から感染するので、同じトイレや風呂を使うことは可能です。ただし、そのつど手洗いを徹底することを忘れないでください」(上医師)

 感染者数が急増する中、厚労省は4月2日付で、重症者の病床を確保するため、軽症者や無症状者を自宅や宿泊施設などで療養させるよう都道府県に通達した。宿泊施設は自治体が借り上げるが、入居者は軽症や無症状で、重症化のリスクがある人と同居している場合が優先されるという。

「家内感染」を防ぐため、各家庭の知恵と工夫が求められる。(本誌・岩下明日香)

※週刊朝日  2020年4月17日号