投資信託ビギナーにありがちな疑問に経済のプロが答えるページを、アエラ増刊『AERAMoney 今さら聞けない貯金の基本』(朝日新聞出版)からご紹介!



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【Q1】
株と債券、今買うならどっちがいい?

【A1】
 投資信託には、中身が株式のタイプと、債券のタイプ、そして株式と債券の両方が入っているタイプが存在する。ビギナーは、まずここでつまづきがち。「どっちがいいの?」と。

 株は世の中の景気がいいと価格が上昇し、景気が悪くなると下落しやすくなる。攻めの投資に向いた投資対象といえる。
 
 一方の債券は、景気がよくて物価の上昇が進み、金利が上昇する局面では、債券の価格が下落するので不利。逆に好景気から不景気に向かう局面では株と違って元本と利息がきちんと戻ってくる債券に人気が集まり、有利になることが多い。守りの投資向きなのだ。

「通常、株と債券は値動きが反比例する関係にあるので、両方の資産にバランスよく分散投資するのがリスク回避の意味でも大切でした。しかし、最近の世界経済は、日本をはじめ先進国の中央銀行がお金をどんどん刷って市中にばらまく『量的金融緩和』という政策をとっています。そのため、金余りの状況が恒常化し、株も債券も同じような値動きをする異例の展開です。低金利が続く状況では、株式投資のほうが債券投資より有利です」(ファイナンシャルプランナーの深野康彦さん)

 日本の銀行に預金したお金は、銀行を通じて日本国債など債券市場に投資されている。つまり、銀行に預金するというのは、日本の債券に投資しているようなものだ。

 その分、投資に回すお金はなるべく株を中心に運用するのが、長期的な運用成績を向上させるうえでも賢明だ。

【Q2】
日経225とTOPIX、初心者はどっちを買えばいい?

【A2】
「日経225(日経平均株価)は日本を代表する優良企業225社の動きがわかる指数です。一方、TOPIX(東証株価指数)は東証1部上場の全企業の株価が対象ですから、日本企業全体の動きがわかる指数といえます。

 サッカーにたとえるなら、日経225はサッカー日本代表、TOPIXはJリーグ全体といったところでしょう。日本のエリート企業を買いたいなら日経225、日本企業全体のポテンシャルにかけたいならTOPIX、という選び方もできますね」
 
 と、例え話で解説してくれたのは、三菱UFJ国際投信デジタル・マーケティング部の酒井香織さんだ。

 ざっくりいうと日経225は225社の株価を平均したものなので、「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングや値がさハイテク株の影響を受けやすい。

 一方、TOPIXは東証1部の全銘柄の時価総額から算出した指数。時価総額の大きい銀行や製薬会社などの内需株の影響を受けやすいといわれる。

「初心者が買うなら、値動きがはっきりしている日経225がわかりやすいと思います。TOPIXの場合、東証1部の上場企業すべてが対象ですから、業績不振企業などもごちゃ混ぜです。日経225は現在、指数の算出基準を見直し中ですが、ニュースにもよく出てきますしね」(前出の深野さん)

【Q3】
先進国株式ファンドの中身は?

【A3】
 人気の高い「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」の場合、国別の資産配分は米国約68%、英国約6%、その他が26%。組み入れ銘柄はアップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなど米国の巨大企業が独占している。

 米国株しか組み入れられていない投資信託だと、米国がこの先コケたときが怖い。欧州や豪州にも一部を投資している点が評価できる。(取材・文/木村慎一郎、伊藤忍)

※アエラ増刊『AERA Money 今さら聞けない 貯金の基本』の記事に加筆・再構成