新型コロナウイルスの影響でステイホームが続く中で、注目を集めたのが非常食。非常食ストックがあればしばらく買い物に行けなくても安心だ。万が一の第2波到来や自然災害に備えて非常食を見直しつつ、ほんのひと手間でよりおいしく食べられるレシピを考えてみた。


 新型コロナウイルスの感染は少しずつ収まりを見せているが、そもそも日本は自然災害が多い。今も日本のあちこちで小さな地震が起きているし、台風や水害なども多く、不安を感じている人も多いだろう。親元を離れて1人暮らしをしている長女も、その1人。コロナ禍で電話で話を聞くと「非常食のストックはあるけど、実際に食べたことはないから味が分からない。そもそも、お湯が沸かせないと食べられないのか? 非常時にスプーンや器はどうすればいいのか? など、基本的なこともよくわかっていない」と言う。
 
 被災したらしばらく非常食のお世話になる可能性はあるから、ふだんから食べ慣れておいて食べ方や味を知っておけば安心だ。さらにカセットコンロを使って多少の調理ができれば、よりおいしく食べられるかもしれない。長女は毎日自炊しているし、調理師免許と管理栄養士の資格も持っているから、調理やアレンジはお手のもの。そこで「家に常備している食材や調味料を使う」「電子レンジやオーブン、トースターは使用不可」「カセットコンロのみ使える」という条件で非常食レシピを考えてもらった。

 実際に長女が非常食アレンジ料理を作ってみた感想は「まず、非常食にこんなに種類があることに驚いたし、選ぶだけでも楽しい。非常食はまずいイメージだったが、思ったよりずっとおいしいのも嬉しい誤算だった! でも、ひと手間加えることで、ふだんの食卓に並べても遜色ない料理にレベルアップできると感じた」。できあがった料理を見ると、確かにインスタ映えを狙えるくらい(さすがに無理か?)彩りもよく、食指が動くものばかりだ。

 非常食アレンジレシピ<前編>では、水で戻して食べられるアルファ化米や、もち米を油で揚げたカリカリおこげ、人気の魚缶などの非常食を使った和食・中華メニューを紹介する。疲れた時もスイーツがあれば幸せな気分になれるから、絶品デザートつき! 栄養面にも配慮したメニューだから、非常食の買い替え(ローリングストック)も兼ねて、ぜひお試しあれ。

「小松菜ご飯」+卵、カリカリ梅、レタス →
梅としゃきしゃきレタスが食欲をそそる「小松菜入り梅レタスチャーハン」

●材料
<非常食>アルファ化米の小松菜ごはん(水またはお湯で戻したもの)
<追加> 卵1個、カリカリ梅3個、レタス1枚、サラダ油大さじ1、塩こしょう

●作り方
1、レタスは一口大に、カリカリ梅は種を除いて粗みじんに切る。
2、フライパンに油を入れて熱し、溶き卵、小松菜ごはんを入れて炒める。
3、塩こしょうで味を整え、レタスと梅を入れてさっと混ぜる。

ここがポイント☆見た目も鮮やかで食欲をそそり、梅のカリカリ食感とレタスのシャキシャキ感が楽しめる! アルファ化米のパックは「水を注げばOK、スプーンつき」を選べば、水さえあればいつでもどこでも食べられて便利。

「おこげ」+野菜、海老、しめじ →
サクサク食感が絶妙「海鮮あんかけおこげ」

●材料
<非常食>おこげ(味つけ前のもの)50g
<追加> 青梗菜50g、にんじん20g、しめじ1/4株、えび3〜5尾、中華スープの素5g、サラダ油小さじ1、片栗粉小さじ2

●作り方
1、野菜としめじは食べやすい大きさに切り、えびは殻をむいておく。
2、フライパンに油を敷き、1を炒める。
3、えびに火が通ったら水150CCと中華スープの素を加え煮立たせる。
4、同量の水で溶いた片栗粉を回し入れ、とろみをつける。
5、皿におこげを入れ、その上に完成したあんかけをかける。

ここがポイント☆サックサクのおこげとフニャフニャおこげ2つの食感が楽しめる。えびの代わりにシーフードミックスや肉を使用してもOK。ここではおこげ添付の調味粉末は使わないので、野菜スープなどに流用して。

「おこげ」+卵、ミツバ →
疲れた胃にほっこり優しい「和風かきたまおこげ雑炊」

●材料
<非常食>おこげ30g
<追加> 卵1個、☆顆粒だし小さじ2分の1、☆塩適宜、☆しょうゆ適宜、ミツバ適宜

●作り方
1、鍋に水200ccを入れ、☆の調味料で味つけをする。
2、沸騰したところに溶き卵を入れる。
3、卵が固まったらおこげを入れ、ミツバを乗せる。

ここがポイント☆もち米を油で揚げてあるから、いつもよりコクのある雑炊になり腹持ちもよい。おこげのカリカリ感を味わいたいなら、食べる直前に入れて!

「さんまの味噌煮缶」+じゃがいも、ブロッコリー →
ごはんがもりもり進む!「さんまの味噌じゃが」

●材料
<非常食>さんまの味噌煮缶
<追加> じゃがいも1個、ブロッコリー30g

●作り方
1、じゃがいもは薄切りに、ブロッコリーは茹でて食べやすい大きさに切る。
2、鍋の底に薄切りにしたじゃがいもを並べ、その上にさんまとブロッコリーを乗せる。
3、味噌煮の汁と水30ccを入れ、じゃがいもに火が通るまで弱火で加熱する。

ここがポイント☆味噌で煮込んであるから、調味料の追加は不要。じゃがいもは薄切りにすることで火が通りやすくなり、調理時間が短縮できる。

「乾燥もち」+フルーツ缶 →
好きなフルーツ缶でゴージャスに「白玉風フルーツポンチ」

●材料
<非常食>乾燥もち
<追加> フルーツ缶

●作り方
1、乾燥もちは水で戻す。
2、もちを食べやすい大きさに切り、フルーツ缶と合わせる。

ここがポイント☆乾燥もちは水で戻すと白玉のようなもっちりした食感と味わいに。フルーツ缶と合わせることで非常食とは思えない贅沢なデザートが完成する。

文/加納美紀

監修・料理作成/管理栄養士・調理師 加納志帆
高校時代に調理を学び、調理師免許取得。大学時代にふぐ調理師免許を取得し、大学卒業後に管理栄養士取得。食品メーカーに就職して地方勤務になり、1日3食ほぼすべて自炊(昼食は弁当持参)している。