タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。



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 子どもたちの相談を受けている支援団体の話を聞くと、コロナ危機で性の相談件数が急増とのこと。休校期間中にネットの利用時間が増え、性加害を目的に接触してくる大人と出会ったり、街に出て性搾取の被害にあったり、子ども同士で過ごすうちに望まない妊娠をしてしまったり。

 虐待や機能不全家族などさまざまな理由で家庭内に安全な居場所のない子どもや、親が働きに出なくてはならず、一人になる時間が長い子どもたちもいます。大人の目が届かないところで自分を守るためには、性の知識が必要です。

 大事なのは性の仕組みを知ることだけでなく、同意のない性行為は暴力だと知ること、性病や避妊の知識を身につけること、そして性の商品化や性搾取の実態について知ることです。卵子と精子が出会って子どもが生まれる、という話だけではなく、性行為に伴うリスクを理解し、欲望の取り扱いについて考える。寝た子を起こすな!は大人の都合の押し付け。起きたら何が起きるのかをあらかじめ知らせておかなければ、子どもは自分を守れず、交際相手を守ることもできません。「同意のない性行為は暴力である」と知らないがために加害者になってしまうこともあります。また、自分が被害にあっていることにも気付けません。例えば身内や身近な人から性虐待を受けていても、それを虐待だと認識できなければ、嫌だけど自分が我慢すればいいのかもと考えてしまいます。

 NPO法人3keysが運営しているMex(ミークス)という10代向けの相談サイトでは、啓発動画で性虐待やDVなどについて知り、自分の状況を認識して相談することができます。

 知識は自立への足掛かり。思春期になる前に、性の仕組みと性的同意について学ぶ機会を。今まで避けてきたなら、これを機に親子で学ぶのもありだと思います。

※AERA 2020年6月29日号