コロナ禍で酒量が増えている人も多いことだろう。だが、飲み過ぎは肝臓病やメタボ、依存症など万病のもとだ。そうわかっていても、やめたくない人はどうすればいいのか。お酒と上手く付き合っている人に学ぼう。



 プロのお酒飲みにも聞いた。元バレーボール選手で、日本に10人しかいない「マスター・オブ・ウイスキー」の資格を武器に現在サントリーのマーケティング部門で活躍する佐々木太一さんだ。セミナーなどでウイスキーをテイスティングするなど、仕事で飲酒の機会も多い。

「プライベートで飲むことも多いので、睡眠と運動と食事には気をつけていますね。あと度数が強いお酒はのどや胃を刺激するので、チェイサーは必ず用意します。ただ、ウイスキーについては、ストレートだけじゃなくその人に合った度数で楽しめるというのはある。例えばハイボールならアルコール度数3%でも飲めます」

 何より大事にしているのは、楽しく飲むこと。飲みすぎないために、酔う前に「今日は何時までな」と時間を決めることもおすすめしている。

「プライベートでのお酒は楽しく生きていくための武器のひとつ。現役の選手時代、一杯のウイスキーを飲みながら明日の試合について頭を巡らせることがよくありました。リラックスするためには大事なものです」

「やめたくない派」を代表して、酒豪として知られる、元フジテレビアナウンサーの大坪千夏さんにも聞いた。大坪さんは、夫の仕事の関係でスイス、ブラジル、イギリスで暮らし、現在はマレーシア在住だ。宗教上、飲酒を禁じられているイスラム教徒が多い多民族国家。ロックダウン中は人手が足りないとのことで、お酒売り場をテープで立ち入り禁止にしたスーパーがあったり、ビール工場が閉まったり。

「この国ではお酒が必需品じゃない人が多いことが身に染みてわかりました。かたや私にとっては正真正銘の必需品。ロックダウン中はリモート飲みなどもしましたが、そのときは楽しくてもやっぱり何か違う。自分はお酒も好きだけど、誰かと同じ時間を共有して、飲んで食べてが好きなんだなと。こうなってみて、初めて実感しましたね」

 アナウンサー時代から、「ワインを2人で2本空けて、そのあとブランデーなどのハードリカーもいける」酒豪だったが、本当のお酒の楽しさを知ったのは、海外で暮らすようになってから。

「欧州や南米では酒蔵巡りをして、お酒はそれぞれの国の生活に根付いた文化と実感した。おいしい物も好きだけど、食通より酒好きのほうが、国を超えるハードルが低い。今はコロナで、立ち飲み屋で隣の人と仲良くなったりができなくなったのがさみしいです」

 お酒を飲むためのマイルールは、最後の一杯を決める「勇気」。

「誰かがもう一杯と頼んでも、釣られて頼まないことですね。あと、つまみの料理に梅酢を使ったり、野菜、豆、キノコ、納豆、〆のみそ汁など肝臓を元気にすると言われるものを食べています」

 現在、休肝日は週1回。コロナ時代に対応する乱れない飲み方のコツとして、

「人の話をよく聞くと、乱れないかも……いや、そんなコツがあったら、私も教えてほしいです(笑)。晩酌をいつまでも楽しめるように、体の声を聞きながら、同志の皆さん、がんばりましょう」

 エイエイオー!(ライター・福光恵)

※週刊朝日  2020年7月3日号より抜粋