災害時の厳しい状況の中で、心身を元気にしてくれるのは温かい食事。ライフラインが止まったときにはカセットコンロが調理に活躍する。その際、貴重な水やガスを節約できるのが、ポリ袋調理。ポリ袋で湯せんして作る「お湯ポチャレシピ」とそのコツを東京ガス広報部の池永美幸さんに聞いた。


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　災害時に役立つのがポリ袋を使った調理方法。浅漬けなど野菜や調味料を入れて混ぜるだけでなく、種類を選べば加熱料理にも使える。材料を入れてポリ袋の口を結び、水を入れた鍋で袋ごと加熱する。つまり、湯せんで調理する方法だ。

　鍋の水が汚れないため、災害時に水を何度も使うことができる。また、複数の料理やごはんをひとつの鍋で作れるので、カセットコンロのガスの節約にもなる。材料はキッチンバサミで切り、袋ごと皿に盛りつければ、洗いものも減り、さらに節水になる。まさに災害時にはぴったりの調理方法なのだ。野外で調理するキャンプにも活用できそうだ。

　ポリ袋は、高密度ポリエチレン製（0.025mm以上）か、「湯煎可」と明記してあるものを使用すること。また、鍋底の熱で袋に穴があかないよう、皿などを敷く。水の量は鍋の3分の1程度が目安だ。

「作る分量が多いときは、ひとつの袋に大量に材料を入れず、小分けにして袋の数を増やすことがコツです。食材は厚さが均等になるように平らに入れます。加熱すると袋が膨らむので、空気を抜きながら、袋の口になるべく近い位置で結んでください」（池永さん）。

　いざという時のために、一度平時に作ってみよう。缶詰やレトルト食品を使えば、非常食の賞味期限のチェックにもつながる。

（1）　ポリ袋でごはんを炊く
材料　1合分
米（無洗米）…1合
水…200ｃｃ

作り方
1　高密度ポリエチレン製のポリ袋に米と水を入れ、空気を抜きながら、根元からねじ上げ、袋の口に近い位置で結ぶ。

2　鍋に皿を敷き、水を3分の1注いで1の袋を入れ、フタをして火にかける。

3　沸騰したら、中火にして20分火にかけ、火を止めて10分蒸らす。

（2）　腹もちがいい！　カレーもち
材料　1人分
レトルトカレー（好みのもの）…1人分
もち…2個

作り方
1　高密度ポリエチレン製のポリ袋に材料をすべて入れ、なるべく空気を抜いて根元からねじり上げ、袋の口に近い位置で結ぶ。
2　鍋に皿を敷き、水を3分の1注いで1の袋を入れ、フタをして火にかける。沸騰したら、中火にし、約15分間加熱する。

（3）　ゆで汁をムダにしないスープパスタ
材料　1人分
ショートパスタ（スパゲティでも）…100g
水…300ｃｃ
コーンクリームポタージュ（粉末）…1袋
粉チーズ、ドライパセリ…適宜

作り方
1　高密度ポリエチレン製のポリ袋にパスタを入れ、空気を少し残したまま根元からねじり上げ、袋の口に近い位置で結ぶ（スパゲティを使う場合は半分に折る）。

2　鍋に皿を敷き、水を3分の1注いで1の袋を入れ、フタをして火にかける。沸騰したら、表示時間通りにゆでる。

3　結び目の下をキッチンバサミで切り、コーンクリームポタージュを入れ、混ぜ合わせる。好みで粉チーズ、ドライパセリをふる。

災害時は特に早ゆでパスタやショートパスタを使うと、加熱時間が短縮できる。

（4）　焼き鳥缶で作る親子丼
材料　1人分
【ごはん】
米（無洗米）…75g
水…100ｃｃ
【親子煮】
焼き鳥缶（タレ味）…1缶
卵…1個
玉ねぎ（スライス）…1／4個（50g）
麺つゆ（ストレート）・水…各大さじ1
三つ葉…適宜

作り方
1高密度ポリエチレン製のポリ袋を2枚用意し、それぞれの材料をすべて入れて混ぜ合わせ、空気を抜きながら、根元からねじ上げ、袋の口に近い位置で結ぶ。

2　鍋に皿を敷き、水を3分の1注いで1の袋を入れ、フタをして火にかける。沸騰したら、中火〜弱火にし、20分間加熱する。火を止めてフタをしたまま10分蒸らす。

3　器に盛り、あれば三つ葉をのせる。

親子煮だけ作る場合、10分煮て5分蒸らせばOK。複数同時調理する場合、時間差で入れても取り出してもいい。または、長い加熱時間に合わせても大丈夫。

※東京ガスのホームページでレシピを紹介している。
防災レシピ「日々のごはん　と　もしものごはん」
https://www.tokyo-gas.co.jp/scenter/hibimoshi/

※「お湯ポチャレシピ」は（株）オフィスRMの登録商標です。

（写真・レシピ・取材協力／東京ガス、取材・文／スローマリッジ取材班　須藤桃子）