LNG(液化天然ガス)の価格高騰などから、電気・ガス代の値上げが続いている。家計の支出増を防ぐべく、光熱費プランを見直してみてはいかがだろう。AERA 2021年12月6日号は、おすすめのプランを紹介する。

*  *  *

>>前編【電気・ガス代値上がりの「真相」 ロシア外交に原油高の波及も…専門家が解説】より続く

 私たち消費者はロシア外交や気温の変化に振り回されてばかりもいられない。生活防衛の強い味方は電力小売り業者、いわゆる新電力会社だ。

 家庭向けの新電力は2016年の規制緩和で誕生。基本的に大手電力と中身は同じ。電気を買う窓口が変わるだけの話だ。

 中身が同じなら価格で選ぶのがよいだろうが、どこが安いか。電気とガスの比較サイト大手「エネチェンジ」などを利用すれば答えが出る。パソコンやスマホで郵便番号と世帯人数を入力すると、該当エリアで利用できる新電力の料金プランが表示される。東京23区内在住、3人世帯で試算をすると、節約額1位は「シン・エナジー」と出た。安くなる金額は年間1万3366円=下の表。初年度は1万8千円分のギフト券ももらえる。

 ここで一つ注意点を。今年1月には一部の新電力で急激な値上がりがあった。結論を先にいうと、市場価格で電気代が変動する純粋な市場連動型プランは避けたほうが賢明だ。比較サイトのエネチェンジでも、市場連動型プランは掲載していない。

「昨年12月から今年1月にかけて日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場の取引価格が急騰し、通常1キロワット時あたり1日平均10円程度から平均154円(最大価格251円)まで高騰しました」

 と、エネチェンジの曽我野達也さんは振り返る。今年1月に市場連動型プランを契約していた人の請求額が、1カ月で数十万円に上るケースもあった。エネチェンジは無料窓口を置き、消費者の相談に乗った。

「新電力の対応はまちまちでした。自然電力グループのように3万円を上限として値引きする業者もあれば、支払総額は変えず、最長36回の分割払いにした業者もありました」

 36回だと月々の請求額が少し上がる程度なので分かりにくいが、解約を申し出ると未払い分をまとめて請求されることになり、ユーザーは驚く。

万人向けプランはコレ

 11月現在、新電力は679もある。比較サイトを使って検索することすら面倒な人は多い。万人向けとして曽我野さんが例に挙げたのはエルピオでんきのスタンダードプランS(40A)やソフトバンクでんきのくらしでんき(従量電灯B)。

「基本料金は大手電力会社と同等または安く、従量料金も1〜5%程度安いというプランなので、毎月どういう使い方をしても、だいたい安くなるはず」

 乗り換えの際は「電気代支払いでポイントが貯まる」という観点で選ぶのもアリ。Tポイントや楽天ポイントなど、よく使うポイントと新電力をリンクさせれば、さらにオトクになる。

 ところで、ガスも17年4月から小売り全面自由化が始まっている。安くならないものか?

「ガスは、元の月額料金が電気より安いので、切り替えた後のお得を実感しにくいでしょう。参入事業者数も少なく、電気と比べると割安なプランが少なく見えるのではないでしょうか」

 比較サイトをさわってみて感じたこと。光熱費カットの難敵はロシアでもLNG相場でも原油相場でもなく、手続きを先延ばしにするユーザーの“面倒な気持ち”ではないか。(経済ジャーナリスト・大場宏明、編集部・中島晶子)

※AERA 2021年12月6日号より抜粋