郵便局でバイトした山口組組員を逮捕 生活苦からファストフードで働く組員は笑顔で新人指導も…

郵便局でバイトした山口組組員を逮捕 生活苦からファストフードで働く組員は笑顔で新人指導も…

 暴力団組員が生活苦から素性を隠してアルバイトをし、逮捕されるという切ない事件があった。

 愛知県警は1月、六代目山口組の暴力団組員の男(60)が組員であることを隠し、郵便局でアルバイトし、報酬を得たとして詐欺容疑で逮捕した。

 組員の男は郵便局でアルバイトする際に、『反社会的勢力ではない』と誓約書にサイン。2017年11月29日、1日だけアルバイトをし、7850円の報酬を得たという。

 その後、自ら暴力団の組員だと申し出て退職したという。

 男は生活苦から広告を見て、応募してアルバイトをしたという。

 山口組の現役組員であるAさんはこう訴える。

「こんなことで逮捕されるなら、かなりの組員がやられますね」

 Aさん自身も有名なファストフード店でアルバイトしている。

「確か、反社会的勢力だとか面接では聞かれなかった。ファストフード店は働く時間が選べるので、組の用事がある時に助かる。ヤクザは礼儀、挨拶が基本です。年中、挨拶していますから笑顔でいらっしゃいませ、とお客様をお迎えするのも、すぐに慣れましたよ。店長からも挨拶が上手だから、新人に指導してくれと頼まれることもあります」

 Aさんはヤクザでは儲からないので、バイト代で生活費を補っているという。

「私と同じような境遇の組員は結構、いますよ」と苦笑する。

 1年以上、ある被災地で土木作業員として仕事をしているBさんもこう打ち明ける。

「昔はヤクザのシノギとして、作業員を出す仕事をやっていた。それまで、ヤクザだろうが、一般人だろうが、人がいれば誰でもいいという業界だった。しかし、ヤクザが関わっているなら仕事は回せないと断られるようになり、廃業に追い込まれた。そこで、2人いた子分とも話して、自分たちで働くことにした」

 被災地の復旧作業なので、事前面接で暴力団など反社会的勢力ではないことを、面接で確認される。Bさんの場合は、それまでのツテもあり、何も聞かれずに仕事をしているという。

 もともとは、関西が本拠地の組に属していたBさん。被災地に入って以降は、定例会に出席することもなく、ヤクザとしての活動はほぼゼロ。苦境をこう訴える。

「遠いので定例会のために関西に戻ることもできないし、現場作業の仕事も忙しい。ヤクザをやめればいいのですが、どこの組も人数が減っており『名前だけでいいから、残ってくれ』と親分から言われたのでそのままになっている。やめようとすると面倒なこともあるし、このままでいいかなと思っていた。それが、郵便局でバイトして詐欺で逮捕だなんて聞かされると、ビックリですよ。被災地の復旧にかかわる作業ですから当然、税金が入っている。今は、祈りの境地です。この仕事がなくなれば、もう食い扶持があらへん」

 山口組のある組長はこう不満そうに語る。

「ヤクザじゃ儲からんと、やめていくヤツばかり。数を揃えるのが大変だ。うちもバイトをやっている子分が何人もいる。まっとうに仕事して稼いでどうして悪いのか。なぜ、逮捕となるねん」

 山口組元顧問弁護士の山之内幸夫氏はこう話す。

「ヤクザという素性を隠して、郵便局でバイトをしてお金をもらったことが詐欺という。この男性が組では重要人物ではないということがわかりますね。仕事をきちんとしてお金をもらっているのに、なぜ詐欺ですか? ましてや郵便局は今、なかなか働く人が集まらない業種。警察の逮捕権の乱用です。裁判所はよく逮捕を認めて令状を出したと思います。ヤクザをやめろと法規制を厳しくして、真面目に働くと逮捕。むちゃくちゃですわ」

(取材班)


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