48日間、大阪から四国を経て、山口県までサイクリングで逃走。その間、海でダイビングで魚を取ったり、お遍路巡りをするなど、ドラマのような逃亡劇が話題となった樋田淳也被告(32)の初公判が2月13日、大阪地裁堺支部であった。


 
 黒のスーツ姿で法廷に姿を見せた樋田被告は、2018年8月、大阪府警富田林署の面会室から脱走。検察側は冒頭陳述で、「樋田被告は面会室の(間仕切りとなっている)アクリル板を壊して、隙間をつくり逃走した」と指摘した。

 だが、樋田被告は「逃走したのは認めますが、アクリル板は壊していない。第三者が壊した」と容疑を一部否認し、争う姿勢を見せた。

 続いて樋田被告に逃亡された留置管理担当の警察官の供述調書が読み上げられたが、まさに「懺悔録」のような内容だった。

 18年8月12日、午後7時半ころからはじまった樋田被告と弁護士の面会。2時間以上経過して長いなと感じて、警察官は面会室を見に行ったという。

<面会室のドアをノックして中をみると、弁護士もおらず樋田もいなかった。そして、アクリル板が窓枠から外れており、左側の10cmほどの隙間がありました。私はその光景に驚きましたが、すぐに我に帰り、「逃げられた」と叫びました>

 そして警察官は緊急を知らせるために、<非常ボタンを押しました。署内に非常警報が鳴り響きました。私は樋田が署内にいるかもしれないと留置施設、署内を探しました。樋田を逃がしてしまった焦りでどこをどう探したか覚えていません>とうろたえている様子が克明に記されていた。

 だが、すでに樋田被告の姿は署内になく、逃走を許していたのだった。

 <申し訳なく思っている>と最後に謝罪を述べている。

 一方、警察官の上司、係長は供述調書で<弁護士が1階の正面玄関から出て行ったことに気づかなかった。気づかなければならなかった>と緊張感もなく、勤務していたことを認めている。3月16日に予定されている、被告人質問で樋田被告はどんな逃亡劇を語るのだろうか。(今西憲之)

※週刊朝日オンライン限定記事