マスクの深刻な品薄状態に目をつけ、マスクを買い占める人や「転売ヤ―」と呼ばれる転売の差額でもうけようと企てる人らがネットオークションやフリマアプリなどで高額で取引する状態が、新型コロナウイルスの拡大とともにひろがった。3月上旬には、静岡県議が大量のマスクをネットオークションに出品し高額で取引したとして謝罪する騒動もあった。



 こうした事態を受け、政府は動いた。

 国民生活安定緊急措置法の政令改正にもとづき、マスクの取得価格を超える高額での第三者への転売の禁止したのだ。違反した場合には1年以下の懲役か100万円以下の罰金、またはその両方が科せられる。家庭用、医療用のほか、産業用の防塵マスクや個人の自作マスクなども規制対象になる。

 しかし、転売ヤー側も次なる一手を打った。

 転売ではなく、「正規輸入品」であると表記、あるいは「ペン」や「ホチキスの芯」を出品し、“おまけ”としてマスクを付属させる替え玉販売といった、「抜け道」経由の出品例があるという。

 今後もこうした負の連鎖は続くのか。

 消費者問題に詳しい天音総合法律事務所の正木絢生・代表弁護士は今回の政府の措置について、「購入して自分の所有となったものをさらに売る『転売』という行為は国民に許されている権利として、本来は安易に制約されるべきではないといえます」
と語る。

 そのうえで「抜け道」行為は違法である、と指摘する。

「最終的には裁判所の判断になりますが、恐らく通常の転売と同様に違法と認定されるでしょう」

 菅官房長官は2月の会見時にマスクの品薄は3月に入れば解消される、と発言した。たしかにネットオークションやフリマアプリへの高額マスクの出品はなりを潜めたように見える。

 しかし、3月の後半になっても、店頭では目立った改善は見えないのはなぜか。当たり前にマスクが買えるのは一体、いつになるのだろう。(本誌・太田サトル)

※週刊朝日オンライン限定記事