新型コロナウイルスの拡大は、家電製品の生産に影響を及ぼしている。

 東京都心の家電量販店の洗濯機売り場を3月半ばに訪ねると、「在庫ございます」の表示があるのは一部の商品のみ。販売員が話す。

「2月まではぎりぎり大丈夫でしたが、3月に入ると影響が出てきました。商品によっては入荷が5月以降になりそうです」

 通販サイト「楽天市場」には「新型ウイルスの影響により一部製品の納期遅延が発生しております」の表示が見えた。例えばパナソニックのエアコン、冷蔵庫、洗濯機の全シリーズが「影響あり」で、テレビも4月発売予定の商品は「影響あり」という。他の大手メーカーも商品によっては全シリーズで「影響あり」という状況にある。

 別の家電量販店の通販サイトの場合、例えば洗濯機を見ると、製品によっては「発送目安」が1カ月、2カ月というものもある。

 家電業界のコンサルティングなどをする「クロス」の得平司代表によると、メーカーによりばらつきはあるが、3〜5割ぐらいで納品が遅れているという。

「国内メーカーで国内の組み立て製品でも、部品のうち一つでも中国から入ってこないと、つくれません。例えば、パッキンはほとんどを中国でつくっています」

 国内メーカーの低価格製品は中国でつくっているものが多いという。また現在は年度末や新年度という大学新入生や新社会人らが門出を迎える時期で、例年家電製品がよく売れるが、新生活の必需品に近い電子レンジや炊飯ジャー、トースター、掃除機などは中国製が多い。

 一部商品は納期が5、6月ごろまでズレこみそうだ。ただ得平さんは「5、6月といっても、それも確実ではないでしょう」とみる。

「中国で物流が止まっています。急ぐ部品は航空便で運ぶこともありますが、中国便はほぼ欠航しています。船も止まっている便が多く、積み荷が集まらないと中国から船が出ませんから」

(本誌・浅井秀樹)

※週刊朝日  2020年4月3日号