3月19日、上皇ご夫妻は退位に伴う引っ越しのため、26年間住み続けた皇居に別れを告げた。



 午前10時過ぎ、天皇、皇后両陛下と愛子さま、秋篠宮ご一家が見送るなか、おふたりは吹上仙洞御所を車で出発。皇祖天照大御神や歴代天皇の御霊(みたま)が祭られ、宮中祭祀(さいし)を行う宮中三殿のそばを通り、乾門へと続く桜並木へ。その両側では、250メートルにわたり宮内庁職員が拍手で見送った。

 そして、皇居の乾門をおふたりが乗った車が出ると、「お気をつけて」「ありがとうございました」と集まった市民から別れの言葉が飛び、おふたりは、別れを惜しむように手を振り続けた。

 おふたりは、神奈川県の葉山御用邸と栃木県の御料牧場に滞在したのち、31日に引っ越し先の高輪(東京都港区)の仙洞仮御所に入る。

 皇室にも新型コロナウイルスは、影を落としている。感染拡大防止のため、「立皇嗣の礼」のうち、宮中饗宴(きょうえん)の儀は中止になり、天皇陛下と皇族方の公務へのお出ましも欠席が続く。

「上皇ご夫妻のご静養の詳細な日程も、歓迎の市民が集まることで、感染の場とならないよう伏せられました」(皇室記者)

 本来は、昨年10月の即位式までにと目されていた引っ越しだが、予定よりも時間が必要だった。

 美智子さまと20年以上の親交がある、絵本編集者の末盛千枝子さんは、こう話す。

「皇居を早く、天皇ご一家のために空けたい、と早朝5時ごろから深夜まで、引っ越しの準備に取りかかっておられたようです。しかし海外の元首などから贈られた千以上の特別な品の仕分けをご自分でなさり、ご負担も大きかったと思います」

 また、美智子さまは、精神的なストレスから半年近く体調を崩しており、体重の減少も続いている。というのも、上皇さまが退位すると手のひらを返したように、美智子さまへのいわれのないバッシング報道が続いたためだ。

「上皇后さまは、新聞広告でご自身を批判する記事を目にすると、取り寄せてお読みになるそうです。これまでは、そのアンテナの鋭さが良い形に働いておられたのですが……」(上皇后さまの知人)

 また、インターネットに書かれた批判的な書き込みもご存じのようで、

「これほど辛いことはない」

 と、吐露したという。

「これまで国民のために全身全霊で天皇として、皇后としての務めを果たしてこられたおふた方です。心無い批判に、憔悴(しょうすい)なさっているご様子は、本当においたわしい」(先の知人)

 上皇ご夫妻は、ご静養ののち31日に、仮住まいである高輪にある仙洞仮御所に入る。

 学習院時代の同級生の織田正雄さん(86)によれば上皇さまは、

「テニスはもう、ラケットが重くてね。いまはピンポンをやっている」

 と話したという。

「侍従さんによれば、卓球台は、どのお住まいにも持って行かれるそうですから、ぜひ上皇后さまと楽しんでいただきたいですね」

(本誌・永井貴子)

※週刊朝日  2020年4月3日号に加筆