岸田“禅譲”内閣誕生 新麻生派は「総裁選で河野太郎を担ぐ」と対抗

岸田“禅譲”内閣誕生 新麻生派は「総裁選で河野太郎を担ぐ」と対抗

 新内閣お披露目会見(3日)のテレビ中継を見ていた総裁派閥・細田派議員は「改憲は先送りか」とつぶやき、別の同派議員も「完全に派閥均衡人事、岸田禅譲、在庫一掃内閣だ」と吐き捨てた。

 安倍晋三首相と“密会”した政界関係者はこう語る。

「安倍さんは外相留任を望んでいたが、岸田(文雄)さんの意をくんで『岸田派を主流派で遇したい。改憲発議に協力してもらいたい』と頭を下げた」

 岸田氏は自派閥の実質的なオーナー、古賀誠元幹事長らに相談した。岸田、古賀両氏の頭をよぎった風景は総理候補ナンバーワンと言われながら「加藤の乱」(2000年11月)で失脚した故・加藤紘一元幹事長の残像だった。皮肉にも現場で加藤氏を抑える立場だった古賀氏は当時若手だった岸田氏に対し「首相に逆らわず、言われたことに従ったほうがいい」と助言した。

 岸田氏は今でも、公然と「私は古賀さんの子分」と語る。古賀氏は森喜朗元首相、今回の組閣で参院議員4人を押し込んだドン、青木幹雄元参院議員会長と水面下で会合を重ねた。

 首相の独断専行に不満を募らせている二階俊博幹事長も古賀氏と親しい間柄で、こうした陰の実力組織が安倍官邸サイドと水面下で折衝し、総裁派閥・細田派に次ぐ第2派閥の領袖となった〝麻生太郎(財務相)外し〟が画策されたという。

「大宏池会構想を掲げ、改憲勇退を安倍首相に促すような注文を付ける麻生さん抜きの岸田禅譲のスキームが官邸と古賀氏らで話し合われた」(自民党関係者)

 麻生、古賀両氏がポスト安倍に岸田氏を担ぐことは共通している。だが、両者の折り合いの悪さは有名で、旧宮沢派を飛び出した麻生氏に対し、古賀氏は「自分たちこそが宏池会本家」(岸田派議員)の意識が強い。だが、追い詰められているとはいえ首相が畏友関係とされる麻生氏を裏切り、古賀氏らに傾いたのはいったいなぜか?

「麻生氏が岸田氏をメッセンジャーとして使い、財務省の意向を受け消費増税を迫るので、改憲ができなくなる。安倍首相は3選出馬をまだあきらめていない。麻生氏はいつ寝首をかくかわからない」(政府関係者)

 そこで、安倍首相は岸田氏と8月1日に改めて会い、政調会長ポストを正式に打診。岸田氏が見返りに求めた同派側近の小野寺五典防衛相、上川陽子法相、林芳正文科相、松山政司・1億総活躍担当相の4人入閣という異例の「満額回答」(岸田派議員)厚遇人事となったのである。

「わかりやすく言えば、細田派、大宏池会からそれぞれ出馬する見通しのはずだった来年秋の総裁選の枠組みから新麻生派を外し、岸田、額賀両派に安倍・菅連合の細田派が乗っかるシナリオ。改憲を捨て切れない首相が『俺の後は岸田さん』と禅譲手形を切ったのではないか」(ベテラン議員)

 ただ、もはや安倍首相では選挙に勝てないとの認識は公明党を中心に与党内で定着している。

「来年夏までやれればラッキーではないか」(閣僚経験者)との見方が強い。

 首相に近い自民党議員はこう言う。

「今回の組閣に麻生さんが頭にきて、『次の総裁選で必ず河野太郎を立ててやる』と吠えていました。麻生氏は河野外相を盾に今まで以上に巻き返しに躍起になる。負け覚悟のヤケクソ解散の博打を打てる状況でもない。早晩、総辞職に追い込まれるのではないか」(本誌・村上新太郎)

※週刊朝日  2017年8月18−25号

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