田原総一朗「安倍首相への国民の不信感は大臣を代えても払拭できない」

田原総一朗「安倍首相への国民の不信感は大臣を代えても払拭できない」

 安倍晋三内閣が行った内閣改造。ジャーナリストの田原総一朗氏は数々の疑惑が晴れたわけではなく、それだけでは不十分であるという。

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 安倍晋三首相が8月3日に内閣改造を行った。

 7月の東京都議選での惨敗や、支持率が30%を割る下落などで強い危機感を抱き、何とかして支持率の回復を願っての改造であった。

 前回の総裁選で、安倍氏に対抗して立候補しようとした野田聖子氏を総務相に、原発に反対を唱えている河野太郎氏を外相に起用したことなどは、お友達内閣との厳しい批判から脱却を図ろうとする安倍首相の意図が示されている。

 野田氏が2015年に総裁選に立候補しようとしたときには、一時は20人以上の推薦人が集まったのだが、執行部から野田聖子氏などを担いだら選挙のときに公認しないぞ、と脅されて18人に減ってしまい、立候補できなかったのであった。

 一強多弱が続いたための傲慢(ごうまん)さが、森友学園問題や加計学園問題などを引き起こした。いずれの問題も、少なからぬ自民党議員が批判的だったはずである。現に、私は何人もの自民党議員から、「理解に苦しむ」と聞かされた。だが、お友達の閣僚や党役員たちはそのことを安倍首相に言えず、むしろ無理して忖度をしてしまっていた。

 今回の改造で、無理して忖度をしていた地方創生相や文部科学相、農林水産相、そしてなぜ閣僚にしたのか理解しがたい防衛相や法務相が取り換えられた。

 林芳正文科相や小野寺五典防衛相、斎藤健農水相などを私は評価しており、安倍首相の狙いはわかる。だが、なぜ党幹事長代行に萩生田光一氏を起用したのかは理解できない。これではせっかくの内閣改造がぶち壊しだ。萩生田氏は、安倍内閣の支持率急落の要因である、加計学園疑惑の中心人物である。何人もの自民党の実力者たちに問うたが、誰もが「理解できない」と答えた。

 さらに重要なことがある。支持率急落の原因は、実は安倍首相自身に国民が不信感を抱いたことにある。大臣たちを取り換えても、一件落着とはならないのだ。安倍首相は、この責任をどのようにとるつもりなのだろうか。

 当然ながら、森友学園や加計学園に対する国民の疑惑は、内閣改造で晴れるわけがない。

 また、稲田朋美防衛相は辞任したが、日報問題は稲田氏の言い分が正しいのか、陸上幕僚監部(陸幕)側の主張が正しいのか、極めてあいまいなまま、かたちの上だけで処理された。国民の多くは、はっきりとした決着を求めている。そのためには稲田氏や陸幕側の責任者の国会での証人喚問が必要である。

 さらに、安倍首相は加計学園が獣医学部を新設することを知ったのは今年の1月20日だと国会で言い切っているが、去年だけで加計孝太郎理事長と7回も食事やゴルフをしているのである。7回も食事やゴルフをしながら、獣医学部新設の話がまったく出なかったというのは、信用せよというほうが無理だ。この疑惑は、まったく解決していない。国民を納得させるには、どうしても加計氏の国会での証人喚問が必要である。これらのことを実施することこそが、安倍首相の責任である。

 まだある。森友学園の籠池泰典前理事長は、国有地払い下げの価格が8億円以上引き下げられたのは、安倍昭恵夫人のご尽力のおかげだと、私に答えている。この籠池氏の説明が正しいのかどうか。国会で昭恵夫人にただしてもらいたい。

※週刊朝日 2017年8月18−25日号

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