田原総一朗「進次郎氏が危機感。安倍政権が侮る政治に無関心な国民」

田原総一朗「進次郎氏が危機感。安倍政権が侮る政治に無関心な国民」

 ジャーナリストの田原総一朗氏は、日本国民の政治への無関心を危惧する。

*  *  *
 自民党の国会議員で、その言動が国民から非常に注目されている小泉進次郎氏が、私に次のように言った。



「なぜか、日本の国民の大多数は政治に関心がないのですよね。大変困ったことだと思いますが」

 私も同じ思いを持っていて、日本の大問題だと捉えている。

 そういえば、スイスから日本に留学してきていたタレントの春香クリスティーンさんが私に、「スイスやフランスやイギリスの学生たちは、集まれば必ず政治についての議論をしますが、なぜか日本の学生さんたちは、まったく政治論議をしません。なぜなのですか」と、不思議そうに問うたことがある。

 たとえば、他の先進国で森友・加計疑惑のようなことが起きれば、当然ながら国民は連日大デモを繰り広げて、安倍内閣は倒壊していたはずである。

 韓国では、朴槿恵前大統領を辞めさせるために、連日100万人デモが繰り広げられたが、朴前大統領は実は強い対人恐怖症で、たまたま懇意にできる女性が現れて、彼女のために財団などをつくるなどしただけで、私は朴前大統領に同情さえしている。

 それに対して、日本では大きなデモも生じず、マスメディアも倒閣とは程遠い批判を繰り返していただけであった。

 野党も、国民の後押しがないために、安倍内閣を揺さぶることができず、また自民党議員たちは、いずれも森友・加計疑惑から目をそらしていた。下手に森友・加計疑惑について発言して、安倍首相のご機嫌を損ねることを恐れていたのである。

 安倍首相のご機嫌取りばかりに熱心で、この国のために何をやるべきか、何をやるべきでないかを責任を持って考えていないわけだ。それでも選挙で当選できてしまうのである。

 また、国民の大多数が政治に関心を持っていないので、テレビのワイドショーなどでもあまり政治を扱わない。政治問題を扱うと視聴率が落ちるからである。

 このところ安倍内閣は、安保法案や、いわゆる共謀罪、IR法案など、多くの法案について国会審議を満足に行わないで強行採決を繰り返している。特に出入国管理法改正、つまり外国人労働者の受け入れをどのようにするか、という重要な法案について、何と国会審議を衆院17時間15分、参院20時間45分という短時間で、内容についての具体的な審議をまったくしないまま強行採決した。

 自民党の幹部にオフレコで問うと、内容についての具体的な審議をすると、政府に処理できない難問が続出するので、政府がごまかしの形で法律をつくろうとしているのだと言うのである。

 国会審議を満足に行わないで強行採決を繰り返すということは、野党を馬鹿にしきって、また国民もあまり関心を持っていないと高をくくっているのである。

 いってみれば、やりたい放題だ。

 沖縄の辺野古では、県民の反対を無視し続けて工事を強行し、「いずも」型護衛艦に米国から大量に買い入れた戦闘機F35Bが発着艦できるようにする。これは事実上、攻撃型の空母化であり、専守防衛からの逸脱だとマスメディアが強く批判しているが、政府は一切説明する気配がない。国民があまり関心を示さない、と高をくくっているわけだ。

 小泉進次郎氏はこうした状況に強い危機感を抱いているのである。

※週刊朝日  2019年2月1日号


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