田原総一朗「同情できぬ税金の私物化 野党はどこまで追及できるか」

田原総一朗「同情できぬ税金の私物化 野党はどこまで追及できるか」

 ジャーナリストの田原総一朗氏は「桜を見る会」問題について「あまりにもわかりやすい」という。



*  *  *
 政府は、来年度の「桜を見る会」を中止する、と13日に発表した。

 首相が主催する「桜を見る会」は、1952年に始まり、ほぼ毎年4月に新宿御苑(東京)で開かれてきた。

 初回の52年は自民党が結党される前で、当時の吉田茂首相が始めた。

 サンフランシスコ講和条約の発効を記念する観桜会として、米英仏や旧ソ連の陸海軍駐在武官を含む「千余人」が参加したということだ。

 旧民主党政権時代は、2010年に鳩山由紀夫首相主催で開催されている。11年は東日本大震災のため、そして12年は北朝鮮によるミサイル発射を警戒して、いずれも中止された。

 そして、第2次安倍政権の発足以降は、毎年実施されている。

 政府が公表している開催要領によると、招待範囲は、皇族、元皇族、各国大使、衆参両院の正副議長、最高裁長官、閣僚、国会議員、事務次官及び局長の一部、都道府県知事及び議長の一部や、その他各界の代表者等として計約1万人と定めている。

 ただし、「各界の代表者等」ということで、芸能人やスポーツ選手などが多く招待されていて、報道機関の関係者も大勢招待されている。

 そればかりでなく、安倍首相をはじめ、自民、公明両党の国会議員の地元後援会関係者などが、「代表者等」に該当するとして、大勢招待されているようだ。

 繰り返し記すが、「開催要領」では、計約1万人と明記されているにもかかわらず、安倍内閣になってからどんどん増え続けて、今年の参加者は、なんと約1万8200人となっているのである。そして予算は毎年約1700万円となっているのに、今年は約5500万円と、3倍以上に増加している。

 この支出は、国民の税金なのである。

 税金が、いわば首相によって私物化されているのではないか。

 これは、共産党が念入りに調査して問題視したのである。

 とりわけ、首相について、都内のホテルに山口県の後援会850人を招いてパーティーを開いていて、桜を見る会と事実上セットになっていたという。共産党は、これを「後援会活動そのものではないか」と厳しく追及しているのである。

 菅原一秀前経産相と河井克行前法相が相次いで辞任したときも、安倍内閣の緊張感の欠如が厳しく問われ、安倍首相の任命責任が問われた。

 だが、この両者の件については、国民の多くは怒りはしながら、やむを得ないと感じている部分もあった。

 選挙区の積極的な後援者に贈り物をするのは、少なからぬ自民党議員が行っているはずで、菅原前経産相の場合は、怒った秘書に裏切られたのであった。

 そして、河井前法相の場合は、定められた金額ではウグイス嬢が雇えなかったのであろう。

 だが、「桜を見る会」の「税金の私物化」は同情のしようがない。

 あまりにもわかりやすい。

 だから、テレビ局のワイドショーなども時間をかけて報じている。

 また、おもしろい映像がたくさんあるのだ。

 そして、「来年度の開催を中止する」とは、悪いことをしていたと認めたことになる。

 問題は、野党がどこまで厳しく追及するかということだ。森友・加計疑惑で、中途半端な追及しかできなかった野党が、である。

※週刊朝日  2019年11月29日号


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