1都3県に発出されている緊急事態宣言を2週間程度の延長が必要との考えを3月3日、表明した菅義偉首相。1都3県の知事も同調する考えを示しており、3月21日まで再延長される見込みとなった。



 菅首相はぶら下がり会見で「病床がまだ逼迫(ひっぱく)している」「国民の皆さんの命と暮らしを守るため」などと説明したが、本音は違うようだ。自民党幹部がこう話す。

「小池百合子東京都知事に1月は先を越されて、やられてしまった。今回は先手を打ちたかったのでしょう。してやったりで珍しく気分良さそうだ。緊急事態宣言は聖火リレー前の21日で終わらせる、ということです。菅政権の好材料といえば、もはや五輪だけ。そこにすがるしかないですからね」

 1月に緊急事態宣言した際には、1都3県を東京都の小池知事がまとめ、渋る菅首相を突き上げて、発出させた。小池氏と菅首相が「犬猿の仲」なのは永田町では有名な話だ。

「今回のぶら下がりの延期表明は、完全なる“小池潰し”でした。緊急事態宣言を論議する5大臣会合も、別名“小池対策会議”と囁かれていました。小池氏を意識しすぎて、今回の延期は完全に政局にしてしまっています」(政府関係者)

 東京都は思ったほど新規感染者数が下がらず、病床使用率も高いまま。小池知事は早々に、再延長を口にした。

「1都3県を小池知事がまとめて、再延長を菅首相に申し入れようとしていたが、期間をどの程度にするか折り合いがつかなかった。その情報を官邸が聞きつけて菅首相が急遽、決断。専門家から解除は時期尚早という意見が強かったことも追い風となった」(前出・政府関係者)

 何とか体面を保った菅首相。期間はぶら下がり会見では明言していないが、7日から2週間となれば、21日前後までの再延長となる。25日からは東京オリンピック・パラリンピックの聖火リレーが始まる予定ので、ギリギリのタイミングで解除に踏み切れる。

「菅首相は無観客でも東京オリンピック・パラリンピックは開催すると言い切っている。25日からの聖火リレーの日程は絶対に動かせない。再延長が2週間なら間に合う。それにコロナ対応で衆院解散も任期満了の10月となる可能性が高い。東京オリンピック開催で支持率を少しでもアップさせて総選挙をしたい。政局的な再延長だ」(前出・自民党幹部)

 一方、今回は菅首相に先を越された小池知事。菅首相の再延長表明を支持する意向を見せている。

「1月の緊急事態宣言の時は、してやったりという感じだった。今回も最初に再延長を口にしたのは小池知事だったので、出遅れ感はない。ただ、今回は首都3県の知事をうまくまとめ切れなかった。小池知事のことですから、どこかでまた菅首相に一泡吹かせたいとは狙っていると思いますが」(同前)

 政局化した緊急事態宣言の延長で皮算用通り、東京オリンピックを開けるのだろうか。

(本誌取材班)

※週刊朝日オンライン限定記事