大阪府池田市の冨田裕樹市長が市役所内に家庭用サウナを持ち込んで使用していた問題で市議会調査特別委(百条委)が大揺れだ。



 昨年10月に問題が発覚した直後、冨田市長の後援会会長と副市長と秘書課職員の間で「秘密保持契約」が結ばれていたことが3月4日、暴露されたのだ。

 4日の百条委で証人となった冨田市長に対して、守屋大道委員が0年10月にサウナ問題が報道された数日後の10月25日に秘書課職員が、市長後援会長から電話で「(あなたがマスコミに)情報提供したと確信している」と言われ、「もし提供者でないなら、その証明として“真犯人捜し”をしろ」と言われたという。職員は「私ではない」と否定したが、同29日に後援会長に呼び出され、秘密保持契約を結ばされたという。

 百条委で追及された冨田市長は秘密保持契約への関与を否定し、「秘密保持契約書は後で知った」とした上で、「ホームレス市長など、誤った情報を流す職員がいる」と述べ、動画や写真を外部に誰かが提供したことを問題視した。

 本誌は問題となっている秘密保持契約書を独占入手。

 冒頭には<10月22日付及び10月28日付デイリー新潮によるインターネット配信の記事及び10月26日発売の週刊ポストの記事について検討するにあたり(中略)秘密情報の取扱いについて、以下のとおり秘密保持契約書を締結する>と記されている。

 冨田市長後援会会長と副市長と秘書課職員の3者がデイリー新潮や週刊ポストの報道に関連した「秘密情報」を共有し、外部に漏らさないという趣旨となっている。

 また、<秘密情報等を開示するなど本契約の条項に違反した場合(中略)相手方に生じた損害を賠償しなければならない>という「賠償義務」も課せられるとある。最後には、冨田市長の後援会長、副市長、秘書課職員の署名が書かれている。

 だが、書面には何が秘密情報なのか、その具体的なものがまったく書かれていないという不思議な内容だった。

 地方公務員は地方公務員法第34条で<職務上知り得た秘密を漏らしてはならない>と規定されている。改めて秘密保持契約書など結ぶ必要性はない。それに冨田市長の後援会長は民間人という立場であり、副市長、秘書課職員となぜこのような契約を結ぶのか、摩訶不思議だ。

 サインをしていた秘書課職員に本誌が直撃すると、「確かにサインはさせられた」と認めた。だが、サインした経緯、詳細は「百条委員会で調査されているので、ご勘弁ください」と言葉少なに立ち去った。

 池田市議の一人は言う。

「昨年10月、最初に動画が報じられ、市役所に住みつくホームレス市長、サウナ市長とたくさんのマスコミが取材に来ました。冨田市長もマスコミ対応に追われ、一部の私物は記者会見の前後に持ち出すなど大騒動でした。サウナやベッドの解体、搬出には職員に手伝わせていた」

 百条委で判明した冨田市長の公私混同、パワハラは目に余るものがあるという。

「サウナ市長と大きく報じられたので、後援会長を通じて、冨田市長の動きをすべて知っている秘書課職員の口を封じ、隠蔽する目的で秘密保持契約書にサインさせたのではないか。百条委ではそうした見方が大半です」(前出・池田市議)

元東京地検検事、落合洋司弁護士はこう話す。

「冨田市長の後援会長が副市長、秘書課職員の意の沿わない秘密保持契約書を無理やり書かせたとなれば、強要、脅迫となりかねない。後援会長に冨田市長が指示したのであれば、共犯の可能性がある。民間人が、市の副市長、秘書課職員と何の秘密保持をしなければいけないのかよく理解できません」

 冨田市長のサウナ問題は全国ニュースとなっただけに秘密保持契約は誰が、何のために結んだのか。百条委での解明が待たれる。(今西憲之)
※週刊朝日オンライン限定記事