日本ハム・宮西尚生「250ホールド達成」にみる中継ぎ投手の“価値”

日本ハム・宮西尚生「250ホールド達成」にみる中継ぎ投手の“価値”

 日本ハムの宮西尚生が、史上2人目の通算250ホールドを達成した。市立尼崎高から関西学院大へ進み、2007年秋に大学生・社会人ドラフト3巡目指名を受けてプロ入りすると、1年目の2008年から貴重な中継ぎ左腕としてフル回転し、9年連続で50試合以上に登板。その間、ホールド数をコツコツと積み重ね、昨季はリーグ最多の39ホールド(自己最多は2014年の41ホールド)をマークして自身初のタイトルとなる最優秀中継ぎ投手にも輝いた。昨季までの9年間で計232ホールドを挙げ、今年の8月3日に節目の250ホールドを記録した。

 リリーフの分業化が進む中、抑え投手以外の中継ぎ投手を評価するための指標として1986年にアメリカで考案された「ホールド」。日本プロ野球では1996年にパ・リーグが記録として採用し、その後2005年に日本独自の規定を盛り込んだ形でセ・パ両リーグに導入された。ホールドを付けるための条件を登板時のスコア状況別にまとめると、下記のようになる。

「同点」→1/3イニング以上を投げて同点のまま降板する。登板中にチームが勝ち越した場合は、1/3イニング以上を投げてリードを保ったまま降板する(ただし、勝利投手になった場合、ホールドは記録されない)
「1点リード」→1/3イニング以上を投げてリードを保ったまま降板する。
「2点リード」→1/3イニング以上を投げてリードを保ったまま降板する
「3点リード」→1イニング以上を投げてリードを保ったまま降板する。または、走者が1人以上いる場面で登板し、1/3イニング以上を投げてリードを保ったまま降板する。
「4点リード」→走者が2人以上いる場面で登板し、1/3イニング以上を投げてリードを保ったまま降板する。または、3イニング以上を投げてリードを保ったまま降板する。
「5点リード」→満塁の場面で登板し、1/3イニング以上を投げてリードを保ったまま降板する。または、3イニング以上を投げてリードを保ったまま降板する。
「6点以上リード」→3イニング以上を投げてリードを保ったまま降板する

 セーブと異なる部分は、1試合で複数投手に記録される場合があること、試合に負けた場合でも上記の条件を満たせばホールドが記録されること。「同点」の場合でもホールドが付くのが、日本独自の規定。そもそもメジャーリーグでは公式記録としては採用されておらず、そのため「日本記録」=「世界記録」となる。

 歴代1位は、山口鉄也(巨人)の273ホールド(以下8月3日現在)。その後を宮西が追い、3位には浅尾拓也(中日)の199ホールド、4位は五十嵐亮太(ソフトバンク)が156ホールドと続く。

 セットアッパーとも言われる彼らの特徴を見ると、いずれもリーグ優勝に大きく貢献した経験のある投手であること。近年の優勝チームを見ても、昨季セ・リーグを制覇した広島では、ジャクソンが67試合に登板して37ホールド&防御率1.71の好成績でブルペンを支え、一昨季に優勝したヤクルトにおいては、守護神・バーネットへと繋ぐオンドルセク(33ホールド)、ロマン(23ホールド)、秋吉亮(22ホールド)の救援陣が完璧に機能した。宮西を要した昨季の日本ハムは言わずもがな。野村克也氏の「優勝チームに名捕手あり」の言葉を借りるならば、「優勝チームに名セットアッパーあり」であり、ここ最近の潮流から言えば後者の言い回しの方がしっくり来る。

 さて、宮西。史上2人目の250セーブは、常日頃から体をケアし、ケガなくトレーニングを続けてきた証でもある。「ホールド」の採用とともに、中継ぎ投手の価値も上がり、ファンにもその重要性を認知されるようになった。その中で達成する「250」の数字には感服する。そして山口鉄也が下り坂である今、“歴代1位”&“世界一”の称号を得る日も、近い。

おすすめ情報

AERA dot.の他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

スポーツのニュースランキング

ランキングの続きを見る

スポーツの新着ニュース

新着ニュース一覧へ

人気記事ランキング

ランキングの続きを見る

東京の新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る

記事検索