「セアブラ」は盛岡大付のパワーの源!

「セアブラ」は盛岡大付のパワーの源!

 盛岡大付ナインには心強い味方がついている。パワーの源、「セアブラ」だ。

 学校が管理する寮とは別に、地域の工務店に間借りする盛岡大付野球部の清翔寮には、1〜2年生合わせて34人の部員が寝泊まりする。料理番を担当する小野寺均さん(51)が、食が進むために考案したのが「セアブラ」。豚のひき肉にニンニク、しょうが、煮干し粉などを混ぜて炒めた後、仕上げにパン粉を入れて冷やして固める。見た目は肉そぼろだが、部員たちが「セアブラ」と呼ぶようになり、それが定着した。



「自家製ふりかけを作ったんですけど、それが不評で(笑)。なんとなしにひき肉を炒めて、そぼろ風にしてみたら、好評だったんです。それから味は変わっていません」

 小野寺さんは盛岡大付の前身である生活学園高校の調理科を卒業後、盛岡市のホテルに就職。中華の料理人として働いていた。その後、デパートの食料品店にも勤め、5年前にある相談が舞い込んだ。

「清翔寮で料理を担当できる人はいないか、と」

 小野寺さんは野球部のOBでもある。後輩球児たちに食事を作る――。夢が広がり、即答した。

「じゃあ僕がやります、と引き受けました」

 いかに食を太くするか。部員の体作りを考える日々に戸惑いを感じながらも、「お父さんみたいな感じ」と慕われるまでになった。

 小野寺さんのセアブラについて寮長の小杉哲也君(2年)は、

「暑くて食べるのがきつい夏場でも、これがあればご飯が進みます」

 と、にこやかに笑う。記者も食べさせてもらったが、水気のあるご飯にセアブラをまぜることでチャーハンのようなパラパラ感が出て、かきこみやすくなった。味もしつこくなく、ご飯3杯はいけそうだ。

 部員たちがご飯をかきこむ姿を見て、小野寺さんは笑みを漏らす。

「卒業生に『セアブラを送ってほしい』とせがまれることもあって、それはもううれしいですね」

 セアブラにはこんな“伝説”もある。

「3年の植田(拓)が試合前になると、清翔寮に来て食べさせてくれと言うので、彼が好きなあんかけそばにセアブラをまぜて出すんです。すると試合でホームランを打つ。甲子園に出発する直前にも同じものを出しました」

 植田君は165センチと小柄ながら、岩手大会で4本塁打を放った注目の打者だ。

「部員みんなの活躍を期待していますが、いつも通りのプレーをしてくれれば、と思っています」

 盛岡大付は大会2日目の第一試合で、昨夏の王者・作新学院とぶつかる。小野寺さんも甲子園に駆けつけ、アルプスで声をからして応援するつもりだ。(文・秦正理)

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