「紀平はまだ子ども、計画性がない」 メダルを逃した敗因

「紀平はまだ子ども、計画性がない」 メダルを逃した敗因

 優勝の期待が高かったフィギュアスケート世界選手権の女子シングルは、日本代表3人はいずれもメダルを逃すという結果だった。対してライバルのロシアは、今季不調といわれてきた五輪メダリスト2人はきっちり仕上げて、表彰台を勝ち取った。敗因はどこにあるのか――。



「まだまだこどもなんですよ、(紀平)梨花ちゃんは」

 と4位の紀平梨花を指導する濱田美栄コーチは話す。22日のフリーの演技後、記者らに紀平について語った。トリプルアクセルを武器にする紀平は、国内外のメディアから今大会で優勝に最も近いとみられていた。

 紀平と優勝したアリーナ・ザギトワと同じ16歳。紀平のどこが”こども”なのか。

「試合以前の問題です。試合の前の準備や計画が全然できない」

 と濱田コーチ。たとえば、ウオーミングアップ。

「時間もやり方もまちまち。その時によって違う。ぼちぼち自分のペースをちゃんと見つけて、どのくらい、どうやって、というのを見つけないと」

 やり方がまちまちというのは、臨機応変というのとも違うらしい。

「ウオーミングアップは、滑走順によってもかわるもの。例えば、最終滑走だったら靴をいったん脱いでアップをし直します。そういったことを前提にして準備するものですが、(紀平は)計画性が全然なく、いきあたりばったり」

 紀平選手の問題は、試合前の準備(ウオーミングアップや靴の結び方)につきるようだ。よほどバタバタしていたのか。

「そうなんですよ! 予想はしていましたから、スケート靴の硬さを調整するのに、ビニールテープなどあらゆるテープは持ってきていました。厚みも異なる複数の種類のテープを用意して。テープ、5千円分買いました(笑)。最終的には古い靴に、水道につけるような強くて分厚いテープを巻きました。白いテープを探していましたがなかった。だから、少しちょっとシルバーが見えていたと思います。目立たないように巻きましたが」

 つまり、自己管理がなっていないということなのだろう。

「(計画を立てて、その)計画通りに試合を進めるという経験がないというか。初めてですし、ばたばたしているし、スケジュールもしょっちゅうかわるのはわかるのですが……梨花ちゃんには、どんな時もきちんと同じことができるという訓練が必要だと思いました」

 同じく指導をする宮原知子はどうか。今季はトレーニング内容もすべて変えたという。
「だから今シーズンが不安定になることは覚悟していました。でも、最後は思い切りできるということがわかった。(指摘される回転不足も、フリーでは)きっちり回りきっていたので、次につながる試合になったと思います。知子は追いつめた方がきっちりやってくれる」

 もう一人の代表、5位の坂本花織について、指導する中野園子コーチは、「サルコウの前にちょっと気抜いたな、というのがわかりました」と指摘する。

「しかし、後半はホントによく頑張りました。練習もかなりやりましたし。(呼吸もしっかりできて)息も(きちんと)吐けていたはずなんですけど。ただ、今日の試合は途中からあまり息を吐けていなかったと思います。呼吸法が間違っているかな、と思いました」

 坂本選手の今後については、次のように語る。

「トリプルアクセルをちゃんと入れていかないと、と思います。もう少ししたらできるかな。来季の全日本選手権に間に合うように、体を絞り続けてほしいと思います。(今大会を経験して)さらに強くなると思う。今までの練習は、半分やらされていたようなところもあるが、これからは自らやってくれるんじゃないかな、と期待しています」

(本誌・大崎百紀)

■3月27日に見出しと一部の文章を加筆・改変しました

※週刊朝日オンライン限定記事


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