62万円ののぞき穴に2人で入るバスタブ 各球団がアイデア凝らす観戦ビジネス

62万円ののぞき穴に2人で入るバスタブ 各球団がアイデア凝らす観戦ビジネス

 プロ野球が開幕して、およそ1カ月が経過した。すでにセ・パ両リーグ合わせ350万人を超える野球ファンがスタジアムに足を運んでいる。各球団、毎年、新たなファン獲得のため、さまざまな企画を実施しているが、今季は、あっと驚くような斬新なアイデアが盛り込まれた新席種が登場しているようだ。いくつか紹介しよう。



*  *  *
 まず、度肝を抜かれたのが広島カープの本拠地「マツダスタジアム」に設置された「バスタベリア」だ。

 名前を聞いただけではイメージしづらいが「バスタベリア」とは、バスタブに入って野球観戦できるというこれまでにないユニークな新席種。バックスクリーン右に全6箇所設置されており、価格は1箇所定員2名で7000円だ。球団公式サイトによると、野球を見ながら<お風呂に入っているときのあの安心感に包まれた気分を味わえる>のが魅力だという。しかし、実際、お湯は張られてはいない。はたから見ると、とても異様な光景が広がっているが…利用したファンからは大好評だという。

 広島カープは、これまでにも寝ながら野球を見る「寝ソベリア」、無料で野球を見る「ただ見エリア」など、ユニークな観戦方法を提案してきた。

 なぜバスタブだったのだろうか?考案者に話を聞いた。

「昨年、関東で開催されていた<バスタブに入って映画を見る>というイベントがヒントになりました。バスタブで映画を楽しめるなら、野球観戦も面白いかもと思ったんです。実際に使っているバスタブは市販で売られているものです。長時間座ってもお尻や腰が痛くないように、ビーズクッションを敷き詰めているので、お客さまからは、意外と座りやすく、快適だとご好評いただいています。親子連れ、友達同士、カップルなど、幅広い層にご利用していただいています。通常のお風呂と同じように、ちゃんと排水口もついているので、もし途中で雨が降っても安心ですよ」

 近年、広島カープ戦の入場チケットは、入手困難になっており、バスタベリアも例外ではない。開幕して間もないが、すでに今シーズン分のチケットは完売しているという。バスタベリア設置前は、SNSなどで「こんな席いらないから通常の席をもっと増やしてほしい」「まずはチケット問題だろ」などと、一部のファンの間では否定的な声も少なくなかったが、ふたをあけてみると、まさかの完売御礼という結果に。SNSの反応も設置前と比べ肯定的な意見が増えている。

 巨人の本拠地である東京ドームも今季から新席種が登場した。その名も「パーティールームNZK」。

 今季、東京ドームの外野フェンスに突如、違和感のある横長ののぞき穴ができていた。球場に足を運んだり、テレビ中継などを見ていて気づいた方も多いかもしれない。そののぞき穴の奥に広がる空間こそ、「パーティールームNZK」だ。

 球団公式サイトによると、パーティールームは2つ用意されており、大型モニターやソファ、ゲームやダーツが置かれている。NZK−1が料金30万円(定員15名)、NZK−2は料金62万5000円(定員25人/アミューズメントコーナー付き)だ。

 担当者の話によれば、2015年シーズンより販売した「パーティースイート」や2018年シーズンから販売した「バックスクリーンクラブ」などの「仕切られたエリアでの団体観戦」「高いホスピタリティのある環境」が好評であったことを受け、「NZK」の新設に踏み切ったという。内装は、アメリカのボールパークをイメージしたレンガ造のレトロとモダンを融合させた装飾が特徴。ただし、現在チケットの購入は、ジャイアンツクラブ会員に限るということだ。

 縦約55センチののぞき穴は金網になっていて、球場の風や応援団の熱気を感じながら、観戦できるようになっている。外野手とほぼ同じ目線で迫力のあるシーンを体感できるのもポイントだろう。試合後は、グラウンドに降りることができ、記念撮影なども楽しめるという。ここならば、今までにない臨場感を味わえるかもしれない。

 そのほか、横浜DeNAベイスターズの本拠地、横浜スタジアムにはバックネット裏スタンド屋上に新名所「BAY DISCOVERY DECK」が完成した。チケットの販売は、4月19日(金)に開始されたが、すでに6月末までは完売している。オープンは5月14日(火)の予定だ。横浜スタジアムと横浜みなとみらい21のエリアの絶景を見られるのが魅力で、利用するお客さん全員に、神奈川県産のブランド豚のあぶり焼きなどが入ったお弁当と定番のペイズリー柄に70thBマークと星のシンボルマークがデザインされた特製包みがプレゼントされる。

 千葉ロッテマリーンズの本拠地、ZOZOマリンスタジアムでは、今年から外野にラッキーゾーンを設置し、至近距離から観戦できる新たな座席を設けた。ロッテは、そのおかげもあってか、チーム本塁打数が急増。昨年12球団最下位の78本だったが、今季は4月24日時点で24本、ソフトバンクに次ぐパ・リーグ2位だ。ロッテファンにとっては、選手のプレーを間近で見ることができ、本塁打数も増えて、喜ばしい限りだろう。

 昭和、そして平成という時代の中で、テレビでの野球中継は激減した。そんな中、実際に球場に足を運ぶ観客動員数は、年々増加傾向にある日本プロ野球界。昨年は、過去最多の2555万719人だったが、令和元年はその記録を伸ばすことができるのか。各球団のアメージングな取り組みに期待したい。(文/AERA dot.編集部・岡本直也)


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