20代最後の全米オープンに臨む錦織、なぜ「自分への期待は特にない」のか?

20代最後の全米オープンに臨む錦織、なぜ「自分への期待は特にない」のか?

 錦織圭が、20代最後のグランドスラムに臨む――。

 8月中旬に2年4カ月ぶりとなるトップ5に返り咲いた錦織だったが、全米オープンの前哨戦では1勝も挙げることができなかった。

 まず錦織は、予定していたATPワシントンD.C.大会を右ひじの痛みによって出場をキャンセル。その後、マスターズ1000・カナダ大会と、マスターズ1000・シンシナティ大会では共に2回戦敗退(上位シードなので1回戦は不戦勝)だった。

 前哨戦では右ひじにサポーターをしてのプレーとなり、良いショットを見せるものの、非常にミスが多くプレーのアップダウンが激しかった。

 錦織はいったん拠点としているフロリダのIMGアカデミーに戻って、練習を積み直してからニューヨーク入りした。

「不安はもちろんあります。もうちょっと試合をして自信をつけたかった。まぁ、こうなった以上しょうがないので、しっかり練習でいいプレーをして、自信をつけて1試合目に臨めたらと思っている」

 ウィンブルドン以降続いている右ひじの不安は、現在も完全に取り除かれてはいない。

「ひじはまだ(不安が)ありますね。なかなか完璧には治っていないので、まだ試行錯誤している途中です」

 また、シンシナティでドクターを呼んで点鼻薬を使う場面が見られたが、「たぶん大丈夫だと思います」と、体調に関しては回復していることを強調した。フロリダの厳しい暑さの中で2時間練習しても症状は出なかったという。

 全米オープンで第7シードになった錦織(ATPランキング7位、8月19日付、以下同)は、1回戦で予選から勝ち上がったATPランク205位のアルゼンチン人と初対戦する。今回、自分にどのぐらい期待をしているかと聞かれると、錦織は少し意外な返答をしてみせた。

「期待は、基本的に特にあんまりないですね。期待することは、どっちかというと、邪念の方に入ると思うので、なるべくあんまり考えないようにしている。先はあんまり見ないようにしているので、まぁ、ニュートラルというか、ナチュラルな気持ちで入りたいなと思う」

 さらに、20代最後での全米オープンという節目は、錦織自身にとっては何の意味を介さないことであり「それ一番嫌いな質問です。20代最後のグランドスラムって、何が正解かわからない。誰か教えてほしい」と穏やかに笑った。

 錦織に気負いはない。こういう時の錦織は強い。もちろん右ひじの不安要素はあるものの、ニューヨークで大きな仕事をやってのけるかもしれない。(文・神 仁司)

●プロフィール
神 仁司
1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンマーケティングジャパン)勤務の後、テニス専門誌の記者を経てフリーランスに。テニスの4大メジャーであるグランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材している。錦織圭やクルム伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材も行っている。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。国際テニスの殿堂の審査員でもある。著書に、「錦織圭 15−0」(実業之日本社)や「STEP〜森田あゆみ、トップへの階段〜」(出版芸術社)がある。


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