ロッテのドラフト1位・佐々木朗希(18)がキャンプの主役として話題を独占している。キャッチボールで190センチの長身からスピンの利いた球を投げ込むと、「モノが違う」と視察に訪れた解説者やプロ野球OBをうならせている。

 佐々木は岩手・大船渡高で高校生最速の163キロの速球を記録したが、ドラフト時の評価は「まだ体の線が細い。将来のエースになれる逸材だが1年目はじっくり体力づくり」という見方が多かった。ヤクルトのドラフト1位で石川・星稜高の奥川恭伸(18)のほうが完成度は高く、実戦デビューは早いと見られていた。

 ところが、このキャンプで、第1クール中から佐々木の評価が急上昇。首脳陣が今シーズン中の1軍デビューを示唆するほどだった。

 一方で、ある心配の声も上がる。スポーツ紙のアマチュア担当で、佐々木を高校時代から見てきた記者は話す。

「大リーグ・エンゼルスの大谷翔平(25)や日本ハムの清宮幸太郎(20)は図太いので自分のペースを変えずにできていましたが、佐々木は目立つことを好まず、田舎育ちののんびりとした子。自分を取り巻く環境が急激に変わり、精神的に疲れている部分もあると思う。ちょっと心配ですね」

 ロッテは、昨年8勝2敗の好成績で今年はエース格として期待される種市篤暉(21)、楽天に金銭トレードされた涌井秀章(33)の背番号「18」を今年から継承する二木康太(24)ら伸び盛りの若手が多い。種市は2016年秋のドラフト6位、二木は13年秋のドラフト6位と下位指名からのたたき上げで、ファームで力を蓄えて1軍の戦力に成長した。両投手は入団時に「金の卵」だったが、佐々木はスケールが違う。

 ただ、ありあまる才能があるから活躍できるほど甘い世界ではない。

 心強い存在となるのが吉井理人1軍投手コーチだ。日本ハム時代に、大リーグ・カブスのダルビッシュ有(33)や大谷と、球界を代表する投手を指導。「怪物の育成」にたけている。

 ある球団OBは、こう強調する。

「吉井さんに任せておけば大丈夫でしょう。知識が豊富で指導の引き出しが多い。どことは言わないが、違う球団だったらいろいろなコーチから投球フォームに口出しされて才能をつぶされる危険性があった。佐々木は入団した球団がロッテで良かったと思います」

 佐々木はダルビッシュ、大谷を越えられるか。(牧忠則)

※週刊朝日  2020年2月21日号