新型コロナウイルスが収束しない中、プロ野球は現時点で新たな開幕日を設定していない。公式戦を開幕するならば、早くても6月下旬〜7月で、無観客試合という形になるだろう。

 日本野球機構(NPB)は感染のリスクを極力減らす形を模索するが、選手たちはリスクと隣り合わせだ。密集、密閉、密接の「3密」の空間は球場内で多い。スポーツ紙の担当記者は、こう心配する。

「ベンチも普段は首脳陣、選手が密集しています。ロッカーとベンチで人数を分散することで濃厚接触を避けられるかもしれませんが、ブルペンは球場によって狭くて密閉された空間が多い。移動もそうです。特にパ・リーグは飛行機移動が多い。便を分散しても限りがある。首脳陣、選手、裏方さんの誰か1人が感染したら、すぐに広がる危険性があります」

 地方球場のブルペンなどは密閉された空間で、選手の待機場所も狭い。飛行機や新幹線で移動の際は、一般客と乗り合わせるケースが少なくない。飛行機、新幹線の座席は前後で2メートルも離れていないため濃厚接触になってしまう。細心の注意を払っていても、感染のリスクは避けられない。

 もし、シーズン中に感染者が出た場合はどうするのだろうか。例えば、ある選手の感染が発覚したら、「濃厚接触者」の恐れがある選手たちも2週間の自宅待機となる。主力が抜けたチームはペナントレースでの戦いに大きく影響を及ぼす可能性がある。ある選手は、こう話す。

「自分がコロナに感染して周りに迷惑をかけたと考えると、感染しても言いづらいですよね。名前が公表された場合に、悪者になってしまうイメージがあります」

 プロ野球ファンの間では、

「テレビで応援するので無観客でも公式戦を開催してほしい」

 という要望が多い。だが、新型コロナの収束に向けて、政府や自治体が外出自粛を呼び掛けている中で、プロ野球開幕は国民の理解を得られるか疑問が残る。NPBは難しいかじ取りを迫られている。(牧忠則)

※週刊朝日オンライン限定記事