第52回全日本大学駅伝対校選手権(全日本)は11月1日、名古屋市の熱田神宮から三重県伊勢市の伊勢神宮までの8区間106.8キロで開催される。東海大の連覇か、青山学院大の2年ぶりの優勝か。全国25校が頂点を目指す大会の見どころについて、関東学生陸上競技連盟駅伝対策委員長の上田誠仁さん(山梨学院大陸上部監督)に聞いた。



 コロナ禍で異例の大会となる。10月の出雲駅伝が中止となって例年とは違う調整を強いられてきたほか、各校の応援自粛、沿道での観戦控えめ、そしてゴールシーン。例年、各校の選手が集結し、アンカーを迎え入れるが……。

「今年はそれもかないません。先に走った選手らは輸送バスで朝日新聞名古屋本社に戻ることになります」

 それでも、大学日本一を争う大会の魅力は薄れない。正月の箱根駅伝とは違い、東海大、青学大、駒大、東洋大、早大といった強豪がそろう関東地区以外からも参加する。

「地方の実力者の挑戦も見どころの一つ。立命館大、皇学館大、関西学院大も(1万メートルの)持ちタイム28分台の選手がそろってきていると聞いています」

 また、箱根駅伝は1区間がハーフマラソン並みの距離であるのに対し、全日本は1区間11、12キロが中心。「スピーディーでダイナミック」(上田さん)な展開となる。特に最初の3区間はスピード勝負で、7、8区の長距離区間は実力者ぞろい。4〜6区は、

「思わぬ伏兵が飛び出してくることもあります」

 前回、順位が大きく変わったのも5区だった。

 注目の選手については、

「青学大は吉田圭太、神林勇太、東海大は塩澤稀夕、名取燎太、西田壮志(いずれも4年)。彼らに割って入れるのが駒大の田澤廉(2年)でしょう。早大の中谷雄飛(3年)はエースの風格も出てきました。彼は粘り強い。地方では皇学館大の川瀬翔矢(4年)にも注目です。18日に1万メートル28分18秒25の東海学生新記録を樹立しました。青学大のトップクラス選手並みのタイムです」

 スーパールーキーは順大の三浦龍司。箱根駅伝予選会では初ハーフマラソンながら1時間1分41秒で日本人トップの5位。大迫傑が早大時代に出した20歳以下最速タイムを6秒上回った。

 上田さんは言う。

「スポーツに大事なのは三つの『きょうそう』(競争・共創・協創)です。選手が走り、運営側や応援側がコロナ禍でも共に協力する。この三つの創る力がリンクしてこそ、本大会の成功があると思っています」

(本誌・大崎百紀)

※週刊朝日  2020年11月6日号